アクタロウ

Akutarou

概要

極東秘邃の地、山中深く霧に包まれ、その里は有ると云う。
「オヅノの里」と呼ばれるその里には、人ならざる、まつろわぬ者が住むと云う。
——物怪の里、オヅノ。そこは、人界から切り離された、鬼種の隠れ里である。

オヅノの里には、御三家という三つの名家が存在する。そのひとつに月家(ツキ家)があり、悪太郎は当代の月家当主である。酒と快楽を好む豪放磊落な男で、浅黒い肌には常に酒精の薫りを漂わせる。長く豊かな黒髪には朱白の束が混じり、酒に浸っていても、その目つきは鋭い。

その本性は、鬼種の最も代表的なものである、いわゆる「悪鬼」だ。人に化けていない間は、青黒い肌を晒している。ヒトの姿に化けていようが、オニとして過ごしていようが、着衣をはだけていることがほとんどで、一糸纏わぬ姿であることも珍しくない。

性格、気質

鬼種の本分に従い、豪快で細かいことを気にせず、まつろわず、悪びれない。懐は深く広く、来るものを拒まず、去るものを追うことはない。オニという印象に反し、怒りや憎悪といった感情には縁がなく見え、口元は常に愉快そうな笑みを湛えている。

好きなもの、嫌いなもの

酒と女をこよなく愛する。愉しめるなら男でも良い。健啖家でありなんでもよく食べるが、みたらし団子が好き。

人であれ物であれ、嫌いなものは特にない。

戦闘

神通力の類は滅多に用いず、ただただ真っ向から斬り込むだけの戦い方だが、剣術の腕はなかなかのもの。身の丈近い大太刀(千重波)を振るい、斬り裂くというよりも叩き斬る。鬼種の剛腕も手伝い、軽く振るえばヒトの身体程度はあっさりと両断できる。なお、刀はオニとしての悪太郎の存在と結びついたものであり、オニの正体を表していれば、その手に握ることができる。そのため、ヒトの姿でいるときに、鞘に収めて腰にさすことはしていない。

価値観、死生観など

ヒトとオニは別れて暮らすべきだと考えている。ヒトの生は短く、オニの生は長い。オニはヒトを襲い、喰うこともある生き物で、それはオニの本能でもある。その溝がある限り、ヒトとオニの融和はあり得ず、共に生きることは難しいと考えている。

若い頃には里を出て見聞の旅をしたこともあるが、人里で暮らしたいとは思わなかった。それどころか、軽く撫でただけで呆気なく落命するような人類種たちを見て、空恐ろしいものを感じた。——我々の祖は、これほど脆いものたちに敗北したのだ、と。

生まれ

月家の跡取りとして生まれ、見聞の旅ののち里に戻り、月家当主の座に就いた。幼い頃は相当の暴れ者で、倍ほどの背丈の大人たちを投げ飛ばした事もあったというが、はるか昔の出来事である。

家族、対人関係

・澤姫
月家分家の娘で、悪太郎の妻である。夫婦仲は大変良好であり、子も成している。

・山鶴
幼馴染であり、月、雪、それぞれの家の当主として、公私ともに親しい仲。

・花宗
花家からの申し入れがあったが、悪太郎は幼い花宗を妾にすることを断った。悪太郎にしてみれば、単純に面白くなさそうだったからだが、花宗は当時のことを感謝している。

プロフィール

血 族:鬼種
年 齢:100は越えていないはずだが、数えていない
誕生日:桜の花の頃
身 長:2メートル近い大男
体 格:がっしりして筋肉質
口 調:豪快 笑って受け答えする

「くはは、人里の酒も悪くはないな! …うん? おお、もう無くなったぞ。これはちいと少なすぎやせんかぁ?」
「ヤマツル、お前ちゃんと呑んでいるか? そうか、ならいい、しかと愉しめ」

サワヒメ

Sawahime

概要

オヅノの姫君、澤姫は総大将を務める月家当主・悪太郎の細君である。たっぷりと長く細い黒髪を涼やかに背に流し、ドレスのように裾の長い襦袢を纏っている。一見すれば淑やかな立ち居振る舞いの美しい女性であるが、ここは物怪の里である。彼女も紛れもなく鬼なのだ。

その本性は、西洋風に言えば「マーメイド」である。本性を表したとき、彼女の腰から下は巨大な和邇——すなわち鮫のような怪物の姿へと変化する。オニの姿でいる間は水中でなければ生きられない、ということはないが、主にヒトの姿で過ごすことを好んでいる。単純に足があった方が陸では生きやすいからである。

性格、気質

積極的に人前に出ることを好まず、夫である悪太郎の後ろか隣で微笑んでいることが多い。悪太郎が自分以外の誰かと行為に及んでいても嫉妬することはなく、むしろ相手役を見守っている。優しく愛らしいオニの姫君である。

好きなもの、嫌いなもの

夫・悪太郎が大好き。悪太郎の奔放さも含めて愛しているので、悪太郎が無茶苦茶をしていても怒らない。また、水の魔物らしく、清らかな水が好き。よく里の小川の淵にいる。
食べ物は魚や果物など、水気のあるものが好き。

嫌いというわけではないが、火を焚いた竈門の前に長くいると萎びてしまうので、火を使った料理が出来ない。

戦闘

周囲も本人も、澤姫は戦いが不得手であると認識している。しかし、水中で彼女に敵うものは、オニであれヒトであれそうそう存在しない。
火気は苦手と言えど、水を操る神通力も有しているため、よほどの大火でなければ恐れることはしない。

価値観、死生観など

里から出たことはなく、生まれた時にはもう悪太郎の妻となることが決まっていたが、オニの中のオニである悪太郎へ嫁ぐことに何の不満もなかった。悪太郎の盃に酒を注いでいる時、悪太郎の腕に抱かれている時が幸せであり、その他のことにはあまり関心がない。里の内政にも干渉せず、ただ悪太郎の傍らに寄り添って日々を過ごしている。

生まれ

月家分家の娘、悪太郎の許嫁の姫君として生を受ける。その頃にはとっくに大人になっていた悪太郎の姿を見て、彼に惚れ、妻となることを夢見ながら育ってきた。

家族、対人関係

・悪太郎
最愛の夫。彼との間に子も成し、幸せな日々を過ごしている。

・花水仙
お互いに御三家の分家であり本家令息の許嫁という共通点があり、仲が良い。花水仙が望む道を見つけられることを祈っている。

プロフィール

血 族:鬼種(水妖)
年 齢:あくたろさまの方が歳上です!
誕生日:水面に氷の張る頃
身 長:150cm程度
体 格:細くたおやか
口 調:淑やかで丁寧

「わたくしは、あくたろさまと過ごすことができれば、それでよいのです。」
「ついはりきってしまって、お魚を買いすぎましたの。こんなにお刺身には出来ないわ…。」

ハナムネ

Hanamune

概要

オヅノの里には、里の内政を執行し、その責を負う「御三家」と呼ばれる家がある。内政のほとんど全てを担い、強大な権力を持つ月(ツキ)家。里の玄関口であり、防衛役も担う雪(ユキ)家。残る花(ハナ)家は、そのどちらにもよい顔をして、甘い汁を吸ってきた。御三家と数えられてはいるが、花家の者はそれ単体では何かを成しているわけではない。人をくすぐる手練手管に長け、月と雪の両家に重用される。それが花家の在り方だった。

花宗は、母ゆずりの美貌と、美しく長い紫紺の髪を備えている。少女のように可憐な所作と、痩身は女性と見紛うばかりだが、歴とした男性である(もっとも、女性に化けることもできるが)。
花家の中では浮いた存在であり、父との折り合いも悪く、花家の屋敷には近寄らない。花家そのものが気に入らないから、とは花宗の弁であるが、彼は嫡男であり、次代の花家当主となるべき身である。

その本性は、ヒトを誑かすムジナである。以前は鬼火を携え、火車として人前に出ることもあったが、長い間人里へは降りていない。というのも、ヒトとの間にある程度の決着がついて以来、ヒトを襲うことやヒトの死体を荒らすことは、無用の争いを招くことになるため、控えるべきだというのがオヅノの立場だからだ。

性格、気質

飄々として掴みどころがなく、世の出来事に興味のないようなそぶりを見せる。花家の分家筋である花水仙の家や、里人であり恋仲でもある銀霞の家、あるいは里に拾われた蒼斗の家などを転々とし、勝手に布団の上で丸くなっている。気ままに暮らしているようだが、花家本家の話を出されれば途端に拗ねる。

好きなもの、嫌いなもの

風流を好み、詩作や句作を趣味とする。また、周りに可愛がられることが好きで、ムジナの姿で撫でくりまわされると簡単に腹を見せる。初対面でガシガシ撫でられても、全く嫌な気はしないらしい。
銀霞、蒼斗と連み、山鶴にちょっかいをかけることも好き。特に銀霞、蒼斗の二人が大好きで、頻繁に3人での行為に及ぶが、性行為はついでの事で、本音を言えば二人と一緒に過ごせれば方法は何でも良い。

肉体労働は好まず、自ら進んで行動することも好きではない。移動は主に銀霞の背負子で行う。

戦闘

神通力で炎を操ることができるほか、配下の鬼火を戦わせることもできるが、戦闘行為そのものが嫌いで、面倒臭いと思っている。基本的には戦闘を避けようとし、どうしても避けられないと見れば、なるべく簡単に決着をつけようとする。

価値観、死生観

諸行は無情であるが、無情な時の流れが解決してくれることもある。というよりも、時の流れでしか解決できないこともある。風流人を気取り、世捨て人のような生き方を好んでいるように見えて、花宗は真剣に己の問題と向き合っている。ただ、その問題を解決する方法が、時間を待つしかないというだけなのだ。

生まれ

花家の者は、自らは何も成さず、ただ月、雪の家を誑かす。花宗の母親は、美しく生まれた息子を月家当主・悪太郎の元へ遣り、愛妾として囲わせることを目論んだ。だが、そうして差し出された花宗を一瞥し、悪太郎はつまらなさそうに、花宗の母を切り捨てた。
生まれた頃から自分自身としての価値ではなく、花家の道具としての価値を語られてきた花宗にとっては、それは絶望的な出来事でも、希望的な出来事でもあった。たとえ母を斬ったことが悪太郎の気まぐれであっても、母の枷鎖から解放されたことは喜ばしかった。以来、花宗は悪太郎への礼節を欠いたことはない。
父はその後病を患い、花宗を次期当主にするほか無くなったのだが、しぶとく生き延びている。

家族、対人関係

・花家本家
花家の在り方を好まない花宗にとっては、憎い存在ではあるが嫌うに嫌えないものでもある。なるべく距離を置いている。

・花水仙
許嫁だが、お互いに気がないことを知っているので、いずれお互いにとって良い方へ向かうことを願っている。

・悪太郎
自身の境遇を変える気になったきっかけ。頭が上がらない。

・山鶴
ちょっかいの矛先。悪太郎と同世代なので、実はかなり歳上なのだが、気にしていない。

・銀霞
恋仲。花宗の姿が見えない時は、だいたい銀霞の背負子の中。

・蒼斗七星
悪友。蒼斗七星の名は花宗がつけた。

プロフィール

血 族:鬼種(死霊系)
年 齢:妖怪としてはまだまだ若輩者
誕生日:梅の花が美しい頃
身 長:170cm程度
体 格:細身でやわらかい
口 調:

「あお、すみ。今日は何をして遊ぶ?」
「おれはさ、みんなが楽しく笑っていられるのがいいなって思う。どうしてそれじゃだめなんだろうなあ。」

ハナスイセン

Hanasuisen

概要

オニたちの隠れ里として、人界から遠ざかっているオヅノだが、人界との交流がないわけではない。花水仙も、そうした「外」との交流を持つオニのひとりだ。花水仙は、人里へ降りては酒を売り歩くことを生業としている。酒の名前は「物怪(モノノケ)」。口当たりは軽く、花のような甘い香りとキレのある後味が売り。

…とはいえ、「物怪」は米や芋を醸したものではない。オヅノの湧水に花水仙の体液を合わせて発酵させたものである。花水仙の本性は「酒虫」と呼ばれるもので、その体液は水を酒に変える性質を持つ。本来のオニの姿である間、花水仙は滑りのあるゼリー状の体をしており、常に粘液を分泌している。この粘液はほのかに甘く、ヒトやオニを酔わせる。

ヤマツル

Yamatsuru

概要

オヅノの雪家は、里の興りから代々、里を防衛する役を担っている。現在の雪家当主である山鶴も、オヅノの山林に迷い込んだヒトがいないか探しては、麓へ追い返すのが仕事である。ある時は頭上から木の実や小枝を降らせてみたり、またある時は、突風を吹きつけてみたり。筋肉質で武闘派の印象とは異なり、追い返し方は大人しい。

しかしそれは、雪家の者が代々オヅノの山の「天狗様」として、麓の村や町で語られてきたことに由来している。言い伝えでは、風もないのに木の実や枝が落ちることや、遠くの山で笑い声が聞こえるようなことがあれば、それは天狗の仕業であるから、山から引き返せ、とされている。そのため、山鶴は古の作法に則り、天狗として真面目に働いているのだ。

性格、気質

良くも悪くも真面目な性格。朝は決まった時間に起き、決まった通りに里山を見回り、鶏たちの世話、畑仕事をこなし、鍛錬、夕飯、そして決まった時間に床に就く。そのため融通が利かないところもあり、特にしきたりや決まり事にはうるさい。その上、「ルールだから」ではなく、「かくかくしかじかこういう理由で決まりは守らねばならない」と説教してくるタイプで、かなり面倒臭い部類。おかげで花宗、銀霞、蒼斗らからは「口うるさい」だとか「おじいちゃん」だとか散々に言われている。

好きなもの、嫌いなもの

鶏を飼っており、大切に育てている。もちろん食用だが、食べる前は存分に可愛がっている。卵料理も大好き。その他食べ物の好き嫌いはなく、なんでも良く食べる。

だらしないこと、決まり事を守らないことには苦言を呈するが、それを理由に他人を嫌うということはない。

戦闘

見た目に違わない武闘派で、里に危害を加える者があれば、防衛役として弓を引くが、ここ数十年そのような不届者はない。日頃の鍛錬は欠かしていないが、主にその技は狩猟にのみ発揮されている現状である。熊ぐらいは余裕らしい。

価値観、死生観

里を愛し、里を守ることに生涯を尽くすことを誓っている。花宗、銀霞、蒼斗らにも何のかんのと文句をつけながら、里で平穏に暮らしている様子を見守っている。この平穏が永遠に続き、己の守り人としての技は生涯発揮されなければ良いと思っている。山鶴は、誰より厳しいが、誰よりも里を思いやっている。そのことを皆知っているから、誰も山鶴を邪険にしないのだ。

生まれ

雪家の嫡男として生まれ、守人として教育を受け、厳しく躾けられてきた。よちよち歩きのヒナの頃、身ひとつで山中に放り出され、自力で戻ってこいと言われた。父曰く、「獣は皆そうして生きている」。そのため、大抵のことは自分で何でもできるし、山中でのサバイバルも得意中の得意。未だに時々山に篭りたくなるらしいが、長期間里を不在にするのは…と思い、自粛している。

家族、対人関係

・悪太郎
幼馴染。同じ御三家としても親しい仲だが、尻を狙ってくるのはやめてほしい。

・冬凪
奉公人頭として頼りにしている。よくできるので、何も口出しすることがない。

・花宗
彼の環境には同情するが、だからといってぐうたら過ごすのは良くないと思う。

・銀霞
人の庭先に毛玉を吐いていかないでほしい。鶏も襲わないでほしい。

・蒼斗七星
生活の面倒を見ている。里に馴染んでくれてよかった。

プロフィール

血 族:鬼種(天狗)
年 齢:悪太郎と同い年
誕生日:紅葉の色が濃くなる頃
身 長:180cm程度
体 格:しっかりとした筋肉
口 調:はっきりとした強い口調

「我々の仕事は、何事もないのが一番なんだ。」
「お前らなあ!!人の家を溜まり場にするんじゃない!花札を持ち込むな!!おい!聞け人の話を!!!!毛玉を吐くな!!!!!!!!」

フユナギ

Fuyunagi

オヅノのシカサン。雪家の使用人。
やまつるのことはだんなさまと呼ぶ。
主に掃除や家事をおこなっているが、
やまつるは大体のことは自分でできる。
暇な時は医者先生の手伝いに出ている。

瑞獣ハクタク、あるいは件。
予言はしたことないが、勘はするどい。

ギンガスミ

Gingasumi

概要

オヅノの里には、怪異「山法師(ヤマボッチ)」を自らの祖と信じ、大館様(おやかたさま)と祀って暮らしている猫の怪の一派がある。里に鬼たちが逃れてくる以前から、猫の怪たちは山人(さんじん、やまびと)と呼ばれ、山の恵みと共に暮らしていた。今日でも、猫の怪たちはオヅノの鬼たちと混ざり合いながら、大館様の世話をし続けている。
銀霞は猫の怪の若者であり、花宗とは幼馴染の間柄である。背負子は本来、採った山菜やきのこ、竹などを入れるためのものだが、すっかり花宗の棲家になってしまっている。花宗とは、友人以上の深い仲。青斗七星と3人でつるんでいるところをよく見かける。
猫の怪は、大入道などと呼ばれる巨大な人形の異形と結び付けられている。おおかた、山で大柄な猫の怪を見たヒトの言い伝えなのだろう。

性格、気質

あっけらかんとした裏表のない性格。良く言えば明るくて気取らない男だが、悪く言えば馬鹿っぽい。真面目になるのは大館様の世話をする時だけのようだ。

好きなもの、嫌いなもの

花宗、青斗、大館様が好き。大館様については、おのずから敬うべき者だからという感覚で、信仰だとは思っていない。

戦闘

鉈を携帯しているほか、山のもので作った毒を使うことがある。猫の怪は皆、体躯の割に敏捷で身軽であるため、崖上や樹上からの攻撃も得意としている。主にその技が活かされるのは狩りの時だ。

価値観、死生観など

山法師信仰に基づく。今は姿が縮み、祠の中で眠るだけの山法師だが、遠い昔には陸を割り、山を捏ねた。海で水を浴び、胴震いした雫が跳ねて湖になった。そして、その時に抜け落ちた毛から生まれたのが猫の怪たちである。山法師の伝説は、そのように馬鹿げたスケール感のものが多い。猫の怪たちが話を盛りがちなのは、その信仰のせいなのかもしれない。
猫の怪たちは生まれてすぐに山法師の世話を覚え、死ぬ時は山法師の祠へ埋葬される。それは強制されたものではないが、ほとんどの猫の怪はそれを選び、猫の国へと旅立っていく。もちろん、銀霞もそうするつもりでいる。

生まれ

オヅノの里生まれ。猫の怪の家系に生まれた。歳の離れた妹がいる。

家族、対人関係

・花宗
可愛い彼氏。何をするにもつるんでいる。

・青斗七星
可愛い友達。なんやかんやただれた関係。

プロフィール

血 族:鬼種(猫の怪)
年 齢:妖怪としては若輩者
誕生日:初鰹の来る頃
身 長:2mある
体 格:特に脚が細長い
口 調:
「んー、じゃ俺はふたりの勝ったほうにつくぜ〜」
「花宗メシ食ってくだろ? 青斗もいっしょに食う?」

アオトシチセイ

Aotoshichisei

概要

里の外で長らく暮らしていた吸血鬼。ある日フラッと里の山に入り込み、倒れていたところを山鶴らに保護された。それ以降は雪家の世話になり、里に棲みついている。青斗七星という名は、その折に花宗が付けた名で、彼の本当の名前ではない。だが、本人は本当の名前などとっくに忘れてしまっているようだ。
たいてい、銀霞と花宗と三人でつるんでバカをやっている。
里に来る以前のことは話したがらない。

性格、気質

活発だが、幼なげな雰囲気が残る。若くして吸血鬼になり、以来成長していない由が伺える。吸血鬼歴は長いため、同族の中でもかなり強力な部類らしい。
不死の種族ゆえの振る舞いか、大抵のことは「気にしない」で済ませてしまう。そのため、一見すると非常にポジティブ。

好きなもの、嫌いなもの

吸血鬼だが、血を飲むのは必須ではないらしい。たまにヒトの血を舐めてさえいれば間に合うので、普段は趣味として食事を摂っている。山鶴のごはんがおいしいせいである。
過去について語ることや、独りぼっちでいることが嫌い。

戦闘

あまり好まない。どうしてもの時は使い魔レフティ・ライティを呼び出し、任せる。それで間に合わないときは基本逃げ。おおむね使い魔たちで片付くので、その場合は滅多にない。

価値観、死生観など

今が楽しければそれで良く、将来のことを考えたくはない。鬼種は非常に長命ではあるが、不老でもなければ不死でもない。彼らはいずれ青斗を遺して去る。
不滅の吸血鬼であるがゆえに、青斗はその宿命から逃れることはできない。かつての青斗はその現実に打ち負かされ、心を壊した亡霊となった。ある意味、それは吸血鬼にとっての死であり、救いでもある。

生まれ

純血の吸血鬼に血を吸われ吸血鬼になった、数少ない『高貴な者』である。不老であるため見た目は少年のようだが、生きている年月は孫市と並ぶか、それ以上に長い。

家族、対人関係

・銀霞
大切な友達。銀霞に抱かれるとき、花宗に申し訳ないという感情は特にない。

・花宗
大切な友達。いっぱい楽しくて気持ちいいことしようね~。

プロフィール

血 族:鬼種(吸血鬼)
年 齢:もう覚えてない
誕生日:もう忘れちゃった
身 長:160cmちょっと
体 格:小柄で子供っぽい
口 調:お茶目でのんき
「いい名前っしょ? 里っぽい名前がいいって友達がつけてくれたんだ~!」
「楽しくて気持ちいことだけしてて、それでなんでいけないのさ?」

ストーリー

青のカッシーニ

マゴイチ

Magoichi

概要

オニの住まう里・オヅノの中でも最も古きオニと言われる者。オニについて誰よりも詳しく、里のオニたちに医療を提供している仙術医でもある。
本性は妖狐であり、ごくまれに狐の姿を取ることがあるが、普段は人に化けて過ごしている。
数百年前のこと、オニを脅威とみなした人類種は、オニを駆逐するための戦いをはじめた。もとより少数であったオニはその戦いで大きく数を減らし、生き残った者も惨い責め苦に遭わされた。当時まだ幼く、力の弱いオニであった孫市もまた、首に縄を括られ、木に吊るされた。全身を刻まれ弱った孫市を助けようと、仲間のオニが近寄れば(オニは情に厚く、特に妖狐の一族は仲間を見捨てることをしない)、人類種はそれを容易く刈り取った。——己の命をエサに狩られる同胞。ただ眺めることしかできない彼の両眼は、やがて涙すら枯れ果て、渇き濁っていった。
胸に積もった怨念を糧に、孫市は密かに力を蓄えた。そして今なお伝説に残る大妖狐として君臨することとなったのだ。

性格、気質

温厚で優しいが、捉えどころがなく、ある一線以上には他人を踏み入らせない、冷涼な雰囲気がある。里の若いオニたちも、孫市がかつて人類を震え上がらせた大妖であることを周知しており、必要以上に踏み込むことはしない。オニは長く生きるものであるから、互いの過去や来歴を詮索することはしないのだ。
そういった面に触れさえしなければ、孫市は里の優しいおじいちゃん的存在であり、やわらかい目で同胞たちを見守っていてくれる。

好きなもの、嫌いなもの

酒を好み、食事を酒だけで済ませることも多々ある。人類種の文化で唯一の良いものは酒。こればかりは認めざるを得ない。しょうもない怪談を語るのも好きだが、これはどちらかといえば酒の肴に、若いオニを揶揄うために話しているようにも見える。
嫌いなものは、言うまでもなく人類。

戦闘

若い頃、オニを率いる大妖として人類と戦い、隠れ里(オヅノの里)を人類から勝ち取るに至っている。本人が語ろうとせず、人類種の文献に残る程度だが、その戦いぶりは妖異というより、獣のそれに近しかったと言われている。
現在は一線を退いた老骨のそぶりを見せているが、長く生きたものほど力を蓄えるのがオニである。今ひとたび人類種が領域を侵せば、孫市もその本性をあらわすだろう。

価値観、死生観など

オニは庇護すべき同胞であり、人類種は駆逐すべき不倶戴天の敵である。人類種と争っていた時間よりも里で隠居している時間のほうが長くなった現在でさえ、その怨念は衰えを知らず、孫市の中に蓄積されている。
だからといって、人類種への報復をするつもりはない。たとえ孫市が己の一存で復讐を始めたとしても、人類種は全てのオニへ向けて攻撃するだろう。そうなれば、弱く幼いオニたちから犠牲になるに決まっている。孫市は、かつて生きていた同胞の恨みを晴らすために、今を生きているオニたちを犠牲にすることを良しとできなかった。
残酷な光景も人類の悪意も全て、老いた自身の腹に抱えていれば良い。——孫市にとって最も望ましいことは、自身がこのまま静かに、里の片隅で朽ち果てることなのだ。

生まれ

遥か遠くの記憶だが、孫市にも両親がおり、兄弟たちがあったはずだった。彼の親は近隣の里山で祀られる狐であったが、オニを脅威と見做した人々がオニを狩り始めたころ、親兄弟も他のオニたちと同様に殺されたものと記憶している。

家族、対人関係

・里のオニたち
分け隔てなく、等しく慈しんでいる。

プロフィール

血 族:鬼種(妖狐)
年 齢:不詳
誕生日:不詳
身 長:170cm程度
体 格:細く痩せている
口 調:古めかしい
「吾(あ)は旧き鬼といえ、汝(みまし)らと何ら変はりはせぬ。何卒、仲良うしておくれ。」
「不思議な話よなぁ……。さて、この話はこれで終いじゃ。今日は疾く休め。」

カルラ

Karura

北上をぶらついてるおじさん。一帯の地主らしい。地主というだけで働きもせず生きていけるはずないのだが、誰も疑問に思わないようだ。

番傘を片手に川辺で釣り糸を垂らしているのをよく見かける。飄々として掴みどころがないが、何故か何でも話せてしまうと感じる。子供には特に優しく、土地の子供にも懐かれている。

非常に印象的な見た目をしているはずなのだが、北上を離れるとその存在さえ思い出せなくなる。たとえその土地で育ち、幼いころからカルラと親しくしていたとしても。しかし北上に戻ればすぐに思い出すことができ、記憶の違和感も起こらない。

突っ込んだことを聞こうとすると躱される。それでも食い下がると、真剣な面持ちで「どうしてもと言うなら、教えてやってもいい」と言われ、大抵の人間はそれ以上彼に何も聞かない。その先を聞けば、家に帰れなくなる気がするのだ。

北上センターの社で祀られているべき存在の実態。

天よりこぼれた最初のものであり、天鼓、天狐、天狗である。
流星、いかづちの如きもの、天の白き獣。暁の星より来たりし炎。
呑む者。永若の賢者。サナトクマラ・カルラ。かつては北上護法魔王尊と呼ばれたものである。

地に堕ちた彼は地上のあらゆる生命と縁を結び、己の眷属を増やすことを良しとした。
それらが鬼である。地上で生きるすべての鬼は彼の子供たちである。
すなわち、カルラは鬼の祖ともいうべき存在である。

彼は繁殖のため、自分の気に入った相手を連れ去る。
相手を孕ませただけで地上に返すこともあれば、長く側に置くこともある。
彼は自分の性質に合った姿として男性の姿を取っているが、女性になることも可能である。
そうして自らが相手の子を孕み、出産をした経験もあるようだ。

「おまえがここを出たいと言うなら、俺は引き留めぬ。いつでも戻ってくるが良い。いつでも俺はここに在る。」