アクタロウ

Akutarou

概要

極東秘邃の地、山中深く霧に包まれ、その里は有ると云う。
「オヅノの里」と呼ばれるその里には、人ならざる、まつろわぬ者が住むと云う。
——物怪の里、オヅノ。そこは、人界から切り離された、鬼種の隠れ里である。

オヅノの里には、御三家という三つの名家が存在する。そのひとつに月家(ツキ家)があり、悪太郎は当代の月家当主である。酒と快楽を好む豪放磊落な男で、浅黒い肌には常に酒精の薫りを漂わせる。長く豊かな黒髪には朱白の束が混じり、酒に浸っていても、その目つきは鋭い。

その本性は、鬼種の最も代表的なものである、いわゆる「悪鬼」だ。人に化けていない間は、青黒い肌を晒している。ヒトの姿に化けていようが、オニとして過ごしていようが、着衣をはだけていることがほとんどで、一糸纏わぬ姿であることも珍しくない。

性格、気質

鬼種の本分に従い、豪快で細かいことを気にせず、まつろわず、悪びれない。懐は深く広く、来るものを拒まず、去るものを追うことはない。オニという印象に反し、怒りや憎悪といった感情には縁がなく見え、口元は常に愉快そうな笑みを湛えている。

好きなもの、嫌いなもの

酒と女をこよなく愛する。愉しめるなら男でも良い。健啖家でありなんでもよく食べるが、みたらし団子が好き。

人であれ物であれ、嫌いなものは特にない。

戦闘

神通力の類は滅多に用いず、ただただ真っ向から斬り込むだけの戦い方だが、剣術の腕はなかなかのもの。身の丈近い大太刀(千重波)を振るい、斬り裂くというよりも叩き斬る。鬼種の剛腕も手伝い、軽く振るえばヒトの身体程度はあっさりと両断できる。なお、刀はオニとしての悪太郎の存在と結びついたものであり、オニの正体を表していれば、その手に握ることができる。そのため、ヒトの姿でいるときに、鞘に収めて腰にさすことはしていない。

価値観、死生観など

ヒトとオニは別れて暮らすべきだと考えている。ヒトの生は短く、オニの生は長い。オニはヒトを襲い、喰うこともある生き物で、それはオニの本能でもある。その溝がある限り、ヒトとオニの融和はあり得ず、共に生きることは難しいと考えている。

若い頃には里を出て見聞の旅をしたこともあるが、人里で暮らしたいとは思わなかった。それどころか、軽く撫でただけで呆気なく落命するような人類種たちを見て、空恐ろしいものを感じた。——我々の祖は、これほど脆いものたちに敗北したのだ、と。

生まれ

月家の跡取りとして生まれ、見聞の旅ののち里に戻り、月家当主の座に就いた。幼い頃は相当の暴れ者で、倍ほどの背丈の大人たちを投げ飛ばした事もあったというが、はるか昔の出来事である。

家族、対人関係

・澤姫
月家分家の娘で、悪太郎の妻である。夫婦仲は大変良好であり、子も成している。

・山鶴
幼馴染であり、月、雪、それぞれの家の当主として、公私ともに親しい仲。

・花宗
花家からの申し入れがあったが、悪太郎は幼い花宗を妾にすることを断った。悪太郎にしてみれば、単純に面白くなさそうだったからだが、花宗は当時のことを感謝している。

プロフィール

血 族:鬼種
年 齢:100は越えていないはずだが、数えていない
誕生日:桜の花の頃
身 長:2メートル近い大男
体 格:がっしりして筋肉質
口 調:豪快 笑って受け答えする

「くはは、人里の酒も悪くはないな! …うん? おお、もう無くなったぞ。これはちいと少なすぎやせんかぁ?」
「ヤマツル、お前ちゃんと呑んでいるか? そうか、ならいい、しかと愉しめ」