Sadalmelik the Shape-Sifter

概要
サダルメリクとは怪物の諱である。それは自在にその姿を変える能力を持ち、潜入や陽動といった仕事をする。そして、それはクローバー貿易商会の切り札であり、その事を誰も知り得ない。
プロフィール
血 族:不明
年 齢:不明(見た目3、40代)
誕生日:不明
身 長:概ね168cm
体 格:瘦せぎす
口 調:おっとり系、平仮名多め
「すごいなあ、そんなこともできるんだ」
「だめだよ。絶対にだめだ。君は僕みたいになっちゃいけない。」
外見描写
それが「サダルメリク」という姿を取る時、彼はどこにでもいるような、これといって目立った特徴のないトヲラス人として振る舞う。
褐色の肌、淡く紫がかった、柔らかい癖毛。まばらに無精髭を生やし、穏やかな眼をしている。眼尻が緩く下がる形で、厚ぼったい瞼に長い睫毛が乗っている。瞳は色が淡く、強膜に近い色をしている。アンダーリムの眼鏡を乗せるようにかけている。全体的にどことなく無造作でふわふわとしていて、良く言えばナチュラルな印象。人の印象に残り難い雰囲気がある。
性質
サダルメリクの能力は、不死者として死を超克した祭に、自身の個性を失ったことで発現したものである。
サダルメリクを観測する者の認識の違いによって、その精度や特性が変化する。例えば、サダルメリクを怪物だと思っている人の前では、怪物に変化する。その見た目や特徴は、観測者の認識(例:長い触手と翼のある怪物)に近い、サダルメリクが過去に観察したことのあるもの(例:頭足類や鳥類)を融合させて表現される。どちらが優先されるかは時と状況にもよるが、本人の想像力で変化することは極めて困難である。
とはいえ、サダルメリクという個人でいる間は、ただのほんのり天然系の中年男性にすぎない。温和で争いを好まず、ふわふわと笑っている。
変身中は、その深度にもよるが、変身した相手の性格や気質を模倣する。素のサダルメリクとは真逆のような人格を持つ人物に変身しても、精度が低ければサダルメリクの性格がベースにある。変身の精度が高ければ高いほど、変身した相手の人格に引っ張られ、サダルメリクに戻ることが容易でなくなっていく。
戦闘
不死者であるため、他者の生命に干渉することは許されていない。故にサダルメリクは直接、誰かを殺すような戦い方はできない。どうしても武力が必要な場合は、誰かの姿を借りて戦うが、やはり殺す事はできない。
不死の特性ゆえに死にはしないので、肉壁を買って出る事はあるが、余程の困窮した状況に限られる。
ストーリー
・『人を食う怪物』として飼育されているところをオルティ、ロータスに発見される。もちろん戦闘になったが、彼の特性を見抜いたオルティに無害で平凡な個性を与えられて鎮圧された。
・その後、普通の人として生活できるように、『サダルメリク』の個性と、それを手帳に書き留める方法が考案され、クローバー貿易商会の一員となる。
・人手不足の商会のため、潜入、諜報要員として使ってくれと言いだした。オルティは反対したが、最終的にはそれがサダルメリクの仕事になった。
・オルティの死後、自己認識が壊れてしまい『サダルメリク』を失う。それからの物語は、誰も知らない。
Read More – 穏やかな夢を
黒い表紙の手帳をぱらぱらと捲る。
それは彼にとっての宝物だ。”サダルメリク”がどういう人物かを書き留めてある。どんな時も、そのページや情報のひとつひとつをなぞっていれば、何か安心できた。
彼は、”サダルメリク”以前の彼を覚えていない。
どこでどうやって暮らしていたかも定かではない。今だって、自分は”サダルメリク”という個人なのだと強く思い込むことで存在しているようなものだ。彼を形作ったオルティが同じように強く思い込み、認識しているからこそ存在できている。もしも、”サダルメリク”を深く知っている人が誰もいなくなれば。その時はきっと、誰でもない怪物になるだけだ。だから、”サダルメリク”の前もきっとそうだったのだろう。
ああ、良かった。
それは、個性を焼き、不死へと堕ちた者には不釣り合いな思考であった——彼は、きっと”サダルメリク”のまま死ぬことができるだろう。この期間限定の愛らしく、儚い人格を惜しむだけの時間はあるだろう。やがて誰も”サダルメリク”を思い出せなくなり、やがて彼自身もそれを忘れるだろう。微睡むままに消えていけるだろう。
そう願う。この心を残したまま生き続けるより、そのほうがきっと、ずっと痛まずに済むはずだから。
