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生命と死について

魂とは

人類種四族は、魂、という概念上のエネルギーを『炉』で燃やすことで生きています。魂の存在が、人類種を特別な生命体としています。このエネルギーは有限で、この火が消えることが、即ち人類種四族の死となります。

竜種の魂

竜種竜族は、このエネルギーが無限です。概ね人類種四族より長生きする理由は、これです。人類種四族は肉体ありきで魂をエネルギー源としますが、竜種竜族は魂ありきで、肉体を形成して使用します。このため、竜種竜族は死亡し、次に生まれても同じ外見や性格を保つことができます。

竜族の魂エネルギーは無限ですが、死ぬことはあります。肉体の損傷が激しく、その形を保てなくなったとき。そして、彼らが「生きることに価値を見出さなくなった」とき。肉体の崩壊が即ち、竜族の死となります。殆どの場合、竜族は肉体の損傷により死亡します。

不死者とは

不死者は、魂の焼失による死を拒み、魂エネルギーの代替として、強い感情や願いを焼き、生存を図った人類種四族の成れの果てです。

不死者になったからといって、不死身になるわけでもありません。不死者は死を拒む者であり、死なない者ではないからです。しかし、実際のところ、不死者は不死身と殆ど同じものです。

不死者はその永い生の間に、たびたび、真っ当な精神性を棄てています。また、魂の代わりに燃やせるような強い願いや想いは、生前の彼らの生きる理由そのものである事も多く、それを炉にくべている事を苦痛だと感じている不死者や、生きる理由そのものを見失い、抜け殻のように生きている不死者も存在します。

竜種は不死者足りうるか

その成立条件上、竜種竜族が不死者となる事はないでしょう。竜種にとって、永く生きることはさほど難しいことではないからです。しかしながら、竜種と人類種が、あるいは神と人の境界線が曖昧であったころであれば、そのような行き違いも起こったかもしれません。

かつての竜種
かつては竜種だったのかもしれない。

人類種

Humans

人類種。ヒト。
社会を形成し、互いの関係性によって世界を広げるもの。この星の霊長。
……あえて説明する必要があるのか、って顔してるね。まあ、君たちの知る、君たち自身とは結構違うよ。

概要

人類種は四族に分類される。
現代では混血が進み、平均に近づいているものの、いまだ血族の特徴を濃く残している者も少なくはない。

  • 緋人族 / Bloodreds
    最も平均的で、広い地域に適応した人類種のスタンダード。これといった特徴がないのが特徴と言える。
  • 鹿狼族 / Lycelafis
    山野や高原によく見られる、狩猟民の末裔。体の一部に獣様の器官(翼、尾、耳など)を形成する場合がある。緋人族との混血が進んでおり、緋人族の中に溶け吸収されている。トヲラス等の一部地域においては、純血統の鹿狼族が残っている。
  • 鱗族 / Scalekins
    沿岸部によく見られる、漁民の末裔。鹿狼族と同じく緋人族との混血が進んでおり、純粋な血脈はほぼ途絶えていると考えられている。鱗族の血が濃い者は手足に水かき様の器官を形成するが、多くの地域で幼児のうちに切除する慣わしとなっており、見た目に鱗族であると判別することは難しい。
  • 精霊族
    山間部にて、伝統的な暮らしを続けている種族。他の三族に比べ代謝が穏やかであり、結果として長命であることで知られる。
    三族との関わりにおいてその差異のため、事故に至る例が少なくない。このため、精霊族は自ら人里を離れ、独自のコミュニティを築いている。

特徴

敢えて人類種、特に緋人族の特徴と呼べるものを挙げるとするならば、その適応能力と発展性……世界にもたらす「変化」にあるだろう。
単純な力押しでは竜種、鬼種に及ぶべくもないが、人類種はその創意工夫により、科学技術を発展させることで彼らに並び得た。つまり、自分たちが最も生存しやすい環境を模索し、世界の側を自分たちに引き寄せる。

さらに、広範な環境への適応から、人類種は繁殖の機会を選ぶ必要がない。いついかなる場合であれ、栄養が十分でさえあれば子を産み増えることができる。数の優位は、かつて人類種は自分自身こそが最も安価な通貨である、と言われていたほど凄まじい。
竜種及び鬼種が、その必要に駆られなければ積極的に増えることがないのとは真逆の性質であると言える。

生態

社会を形成して暮らす。社会から外れ暮らす者もなくはないが、人類種は「孤独であることに耐えかねる」ようにできている。本能的にそうだ、というよりは、生命として、独りで生きていくことができない。

だから、全くの個人が孤独に生活するということは滅多にない。コミュニティから弾き出されるような余程の理由があったとして、その者は別のコミュニティに身を寄せることを選ぶ。互いに密で深い関係性を築き上げることを良しとし、それを維持しようとする。

これは竜種や鬼種から見れば、かなり独特な生態として映るらしい。とある鬼種は、人類種を「虫のようだ」と称したと伝わる。おそらく、自分たち鬼種と比較して虫のように弱い者である、という意味であろう。しかし、こうしたコミュニティを築き、過密とも言える距離感で暮らす人類種を、群れる虫に譬えた物言いであるとも言われている。

また、竜種は信仰を持たないとされているが、人類種と鬼種は信仰を持つ傾向にある。神やそれに類するものを崇拝し、信仰の教義を共有することで、コミュニティへの帰属意識を強め、生活の規範としているものである。
鬼種と明白に異なる点としては、鬼種が信仰するものは彼らにとって「存在が確実なもの」である。具体的には、鬼種は力のある古い同朋を信仰して祀るのだ。人類種は、たとえ自らがその姿を見たことがないとしても、神を想像しそれに仕えるのである。

——存在しないものを存在するかのように扱うことができるのは、人類種にだけ備わった力なのだ。

立場

この星の霊長である人類種は、もはや世界そのものを社会としている。そこが人類種の社会に組み込まれている場所であれば、所属する国や信仰する宗教に関わらず、生活することにさほどの苦労はない。人類種というだけで、ある程度の社会的権利を得ることができるようになっている。
無論、コミュニティの内側で社会的権利を得ることと引き換えには、社会的な義務が発生する。すなわち、そのコミュニティへの貢献であり、そのコミュニティへの加害を行わないことである。いかなる国、地域であっても、それが大きく変わるということはない。
そして、仮に義務を果たすことが難しいような場合であれ、即座にコミュニティから弾き出されるようなこともない。そして、ほとんど全ての国家、都市においてそのコミュニティの運営は法治によって行われている。

人類種の社会は斯様に安定的で寛容であるが、しかしながら竜種、鬼種をコミュニティに受け入れる事はしない。比較的小さな、家族や生活の共同者として受け入れる例はあれど、社会全体で見ればやはり不寛容である。彼らを人類種の一部として数えるのではなく、竜種、鬼種と呼ぶことが、その最も卑近な例であろう。

秘匿

君たちの認識では、君たち人類というものはどうやって生まれてきた?
さまざまな神話が語られながらも、科学は全く別の答えを物語っていることだろう。そのいずれが正しいかは僕の断じるところにない。君たち自身で答えを追求するべき問題だ。
……ともかく。

我々の世界では、この問いかけに答えが用意されている。一般に知られている物語ではないけれど、僕はそれを認識して、真実として知っている。
それでは、星の子どもたちの話をしよう。

起源

人類種を生み出したのは——ひいては、この世界を生み出したのは……便宜上「神」と呼ぶとしよう。そういうロクデナシだ。
どういう事情で「世界を作ろう」なんて発想に至ったのかは知らないよ。知りたくもないし、知っていたとして僕らの糧にはなりっこない。
星の建造については、別の機会に詳しく話すとして。星の霊長、星の支配者として、神は僕ら人類種の創造に手をつけた。ところが、肉を捏ねて造形された「人型」は、生命ではあったけれど、霊長ではなかった。単に二足歩行するだけの獣だ。魂と呼べるものがなかったからだ。

神は、無から魂を作ることまではできなかった。しかし、ここで何とも都合の良いことが起こった。魂と呼べる、それに相応するものを持っている存在が見つかったんだ。本来ならば、この星の霊長として君臨するはずだった「星の大精霊」。神はそれを拾い上げ——細かく刻んだ。魂として運用できるぎりぎりの量になるまで微塵切りにした。
そして、それを組み込んで「人型」を「人類種」という霊長にすることに成功したんだ。それが、緋人族という人種だ。初めて創られたヒト。それから神は、生き物や環境を作り込んでいた他の神に声をかけ、星の霊長の創造に手を貸すように言った。

獣を作っていた神が、鹿狼族を産み出した。あまり良い出来とは言えない。獣の作り方をそのまま応用された彼らは、今も血族特有の病に苦しんでいる。
魚を作っていた神が、鱗族を産み出した。ところが陸で暮らすということを忘れていたから、水を出た彼らは渇いてしまう。彼らは沿岸で暮らしているのじゃなくて、沿岸を離れられないだけだ。
石を作っていた神が、精霊族を産み出した。見た目は精巧だった。ただ、人が生きる時間を長く見積り過ぎていたせいで、彼らは時に取り残されている。

こうして人類種は誕生し、星の命のかけらをその身に宿した霊長となった。なったにも関わらず、今もそれぞれに、神の無鉄砲のツケを払い続けているというわけさ。

本質・構造

肉を捏ねただけでは、人は人たり得なかった。
魂を組み込まれ、それを燃やして初めて、単なる二足の獣から霊長になることができた。
魂とは、不思議なものだ。物質ではない。けれど確かに存在している。触ることも見ることもできない空気みたいなものだけれど、何らかの原子によって構成されてはいない。生命のエネルギーであり、ヒトを構成する情報でもある。そしてそれは有限の資源である。

星の大精霊を切り崩した残り滓。微塵切りのひとかけらにすぎないもの。それが、誰しもの身体に宿り、それを一固の生命へと押し上げている。
人類種の死とは、単純に、魂のエネルギーが燃え尽きることで発生しているわけだ。
魂の炉が、エネルギーを取り出している。それは概念的なもので、物理的に存在しているものではない。エネルギーを取り出しながら、魂の炉はその人物の情報(ログ)を魂に焼き付けていく。それこそが生きるということであり、人生とは情報であるということ。すなわち、人類種とは本質的に情報、つまりデータであると言える。
不死者というのは、この魂が燃え尽きたとしても、その炉に新たなエネルギー源を焚べ続ける存在だ。これは、別の機会に話すほうがいいだろう。

魂は有限だ。これは人類種が増えすぎない理由でもある。同時に存在できる人類種の数に限りがある。とはいえ、それは極めて大きな数であるから、ヒトの目に留まるようなことは今のところ起きていない。
もし、生まれてくる人類種の数が徹底的に把握されるような未来がくれば、それは白日に晒されるかもしれないね。

//うん? 僕は完全にただの人だよ。不死とかでもない。ありふれた人類種だ。たかが、「自分と同じ魂の破片を持った個体と、IFを超えて繋がることができる」だけの男だ。

補足

君たちの世界では、ヒトが神の園を追放されたことを原罪と呼ぶ神話があるそうだね。
僕らの神話にもそういうものはあるけど、真実としては、人類種が生きていること、それ自体に罪はないんだ。被造物に過ぎないのに、そこに責任を求められても仕方ない。

けど、人類種は誰しも、星の大精霊の破片を持って生まれてくる。竜種が竜王の断片として生まれてくるように。
生きることは罪ではない。でも、だからこそ、生きることは真摯でなければならない。僕はそう思っているよ。

//ええと、本当はこの補足ごとコメントアウトしないといけないだろうね。これは僕の感情と感想だもの。
//けど、いちばん大切なことだと僕はこれを信じているからね。……きっと誰かに知っておいて欲しかったんだろうな。

竜種

Dragons

「竜種」と聞いて、君の中に思い浮かぶものはおそらく”これ”だ。
強大な爬虫類の姿をした怪物、翼持つ蛇。知能が高く、ブレスを吐き、魔法を操る幻想の生き物。
ええと……そういうファイナルオオトカゲファンタジーが無かったわけじゃあないんだけどね。そのtheドラゴンは、一旦傍に退けておこうか。ここからは僕らの常識に基づいた、学術的な話をしていこう。

概要

広く「竜種」「竜族」として知られる種族は、ヒトの形を模した擬態を行う「可変的な生命体」である。第五の人類種として数えられているが、人類種とはその生命の在り方が根本的に異なる。

特徴

竜種の最も顕著な特徴は、その生命基盤を循環器系に依存していることである。
人類種が神経系を基盤としてその生体を構築しているように、竜種は循環器系を基盤としてその生体を構築する。発生の初期段階においても、人類種は神経系を優先的に形成するが、竜種は循環器系を優先的に形成する。特に、心核と呼ばれる器官である。これは人類種やその他の生物において心臓と呼ばれる器官に相応しているが、単なる循環器、ポンプではない。竜種の生体の構造全体を規定する中枢であり、制御中枢である。他生物の骨髄のような役割をも兼任している。

心核、およびそれを中枢とした優れた循環器系を持つことが、竜種の身体的な強靭さに繋がっている。また、竜種の血液細胞は、それ自体が幹細胞である。心核から作り出される細胞は循環器を通して全身に供給され、供給先で任意の細胞へと分化する。

この構造により、竜種の体の中身、すなわち皮下や内臓の組織の生成は個体による差が著しい。特に内臓の構成においては、配置や個数までもが個体により異なる。少ない、あるいは生成されていない器官もあれば、過剰に生成されている器官も存在する。ただし最低限共通する構成として、循環器系を除けば、目や耳などの「感覚器官」、および口腔や消化管などの「消化器官」に相当するものが生成される。その他の臓器や構造は明確に生成されないことも珍しくなく、また、それらの欠落が竜種の生命活動に影響を及ぼすことはない。竜種の生命活動の中心は心核であり、それが健全であるかぎり竜種は生命として健全である。極端な例として竜種は、全身のほとんどを損失したとしても、心核のみで自己復元が可能である。

神経系に依存しない生態を持つため、電気信号による情報伝達に代わり、血液細胞による情報伝達を行う。心核の作用により、竜種は空間を総合的に把握し、周囲の状況に反応する。その上で竜種は、視覚や聴覚、嗅覚などを(それらが生成されている場合)補助的なセンサーとして使用していると考えられている。血液細胞による情報伝達は、電気信号のそれより比較的緩やかな伝達速度しか持たない。しかし、竜種の循環器は人類種のそれを大きく上回る性能を有するため、知覚および反応において、顕著な遅延が観測されることはない。むしろ神経系に依存しないことで、局所的な損傷や断裂が発生した場合も、滞りなく情報伝達が行われる。さらに、その損傷も即座に回復することが可能である。

生態

竜種が家族や社会を形成することは稀である。生命力に優れ、最低限の栄養摂食で造血し、成長あるいは回復することが可能であるためだ。多少の負傷は気に留めることもない。
心核を損傷することによる死のほか、竜種は自らの意思で心核を停止し、死に至ることがある。
また、繁殖することを重視しておらず、竜種同士が番うことも少ないため、その個体数は生命力の割に増え過ぎるということはない。竜種はむしろ人類種のよき隣人であることを望む傾向にあり、生殖の相手としてではなく、単に家族、友人のような関係性としての人類種のパートナーを持つこともある。

竜種の繁殖行為は、彼らの血を体内で物理的に混ぜることによって行われる。混ぜられた血液細胞から心核が発生し、それを覆うように凝血することで、新たな竜種の「卵」が形作られるのだ。竜種同士でなくとも、究極的にはひとりであっても、竜種は単為生殖で子を成すことができる。
単為生殖の場合は、子は基本的に親と同質である。いかなる理由によるものかは不明だが、そうした場合、親は卵を残して自発的に心核を停止する。

人類種をパートナーとした竜種は、ごく稀にではあるが、人類種との繁殖を望むようだ。極めて少ない例ではあるが、竜種がパートナー女性の胎内に卵を構成させた事例がある。また、その例では単為生殖の場合とは異なり、親が自発的に心核を止めることはなかったという。
人類種側が男性であった場合も、竜種同士が番う時のように、竜種の体内で卵を生成したようだ。ただし、この場合は生まれる子が竜種であるとは限らないようだ。竜種の誕生例もあるが、人類種としての性質しか持たないうえ、一部の臓器が完全な形ではない状態での誕生例も報告されている。

能力

竜種の心核は、自身の血液細胞を本人の自在に操り、成形する機能を持つ。これは「血の魔法」と呼ばれ、竜種であれば生まれつきその扱い方を知っているものである。
尾や翼、付属肢のような外部器官を一時的に生成することができる。また、日常的には体の一部位に血液を集めることで、筋力を高めるような使い方をしていると考えられている。
竜種はその血の魔法によって、血液細胞を体外に取り出し整形した、特殊な武器を扱う事がある。これを武器の形態問わず「魂の剣」と呼ぶ。
しかしながら、「血の魔法」の扱いや「魂の剣」を作り出す技術は個体差が大きい。竜種が社会を形成しないことで、そうした能力の扱い方が、竜種の間で伝達されていない可能性が指摘されている。

立場

生命力に優れ、また、力のうえでは人類種の及ばない存在であることから、竜種は多くの国で法律による保護を受けていない。およそ人権と呼べるものを認めていない場合もある。
竜種は潜在的に危険性を内包している。竜種による人類種への傷害は容易であり、被害が大きくなりやすい傾向にある。そのため竜種が人類種へ加害した場合、多くの法律では基本的に竜種に責任を帰属させる。こうした状況から竜種の雇用は極めて少なく、社会において居場所を与えられていない状態である。

このため、竜種は概ね裏社会に身を置く。あるいは、「竜種の自活」を目的として掲げる「竜十字騎士団」のような非営利団体に身を寄せる。そして、彼らの強靭さを活かし、傭兵や護衛職としての雇用を目指すこととなる。
こうした社会的状況、立場にありながら、竜種は人類種を憎むどころか、愛してさえいるように思われる。無論、すべての竜種がそうというわけではない。人類種に強い嫌悪を示し、人里を離れた者も少なくはない。

しかし、竜種は誇り高い反面、どうしようもなく愛情深い。特に人類種を愛し、パートナーとした場合。竜種が人類種を裏切り、傷つけることはない。大抵の場合、心を通わせた人類種の生命が先に尽きることとなるが、それまでの間、竜種はパートナーの側でパートナーのために自身の全存在を尽くす。竜種なりのやり方で愛情を表現し、竜種なりにパートナーを支える。たとえ人類種がそれを裏切ったとしても。それは、死がふたりを別つまで続く関係性となる。

秘匿

……さて、竜種というのがいかなる存在か、君にも理解してもらえただろうか。
ここからは少し、神秘のベールを捲る話だよ。

起源

まず、そのように異なる生き物が、なぜ僕らの隣人のような顔をして、僕らの側で暮らしているのか。その疑問は当然だ。そして、その疑問には明確な答えがある。
竜種は、そもそもこの星で生まれたものではない。その祖である竜王——王権があったわけではなく、最優の竜(種)としてそう呼んでいるだけだけど。竜王は、いずこの涯からか訪れた「星海の獣」と呼ばれるものだ。
竜王は、僕らを生み出した存在……まあ、いわゆる神様みたいなものだから、神と呼ぶことにしよう。神と交渉して、この星で暮らすことになったんだ。その過程で揉めたんだろう、神は竜王に約定を誓わせた。

——竜種は人類の五番目の種族として、ヒトの似姿を取ること。
これは強い制約的効果を含んだ誓約であり、竜王の裔である竜種は、その誓いを破ることができない。心核がそれをおのずと拒む。心核は竜王の一部であり、竜種はそれを連綿と受け継いでいる、というわけだ。だから、竜種はいつまでも不恰好で中途半端な擬態のままで生きている。爪を剥がれ鱗を削がれ、翼を捥がれ牙を抜かれ、角を折られてヒトのふりをしている。

そうとも、竜王は、君が想像した通りの姿だった。

//どうせあのロクデナシのことだ。竜王のことも、可哀想な大精霊と同じように捕まえて、ヒトの素材にしようと細かく刻んだんだろう。
//ところが竜の生命はヒトのそれとかけ離れすぎていて使えなかった。致し方なく、竜に備わっていた誓約機能で縛り上げた。二度と断片が竜王を構成することがないように。ってオチじゃない?

本質・構造

つまり竜種っていうのは、やっぱりドラゴンなんだよな。一生懸命にヒトに擬態してるけど、その在り方も本質も、人類種とは違っている。
彼らは全て竜王の一部だ。全ての竜種は、心核に竜王の断片を宿している。そして、竜種が子を成せばそれは子に引き継がれる。仮に命を落としたとして、竜王の断片だけは潰えることがない。それらは竜王の自己復元性により、集合し結合する性質を持つ。要は、付近に存在する別の竜種へ「結合」するんだ。本人すら気づかないうちに。
竜種が積極的に番わないのは、竜王に近づくことを心核が本能的に避けるためだ。心核は誓約を破ることから離れようとする。不可抗力による結合とは違う、と判断されるんだろうね。
だから、すべての竜種から心核を集めれば、理論上は竜王が再構築される。それは「竜王」という個人の再生ではなく、現象の再現に近い。

//まあ、僕はそういうルートを見たことがある。だからあれは、どっちかっていうと現象、ていうか災厄、災害だなって思ってるんだ。
//どんな展開でも、竜王は神を憎み(わかるよ)、人類種を嫌悪して滅ぼそうとした。まさに、それは嵐みたいなものだったよ。

誓約について

これは竜種に元来備わっている機能のひとつだ。彼らは何らかの約束を他人と交わすとき、それを非常に重い誓約として認識する。
この誓約は彼らの心核に影響を及ぼすと考えられている。竜種本人、あるいはその誓約を結ぶ相手が望む、望まざるに関わらず、竜種が誓約を破ることは許されない。心核がおのずとそれを避けようとする。強引にそれを破ることはできるが、まさしく命と引き換えになる。だから竜種は約束を違えない。否、違えることができないのだ。
軽々しく竜の手を取ってはいけない。それは互いにとって致命となりうることだ。

補足

竜王は星海から来た、ってことは。
つまり竜という存在は特異でない可能性があるってことだ。それはまだこの星を訪れていないだけかもしれない。竜王は竜たちの最後の生き残りとして、住み良い場所を探していたのかもしれない。それは僕の観測の範囲外のことだから、どう転ぶかはわからない。

//個人的な希望を述べるなら、どうか竜王には彼らの同朋がいてほしい。
//竜種は全員がそうというわけじゃないけれど、優しく、誇り高く、愛情深く、誠実だ。誓いを守り、ヒトのよき隣人として、不完全な擬態を続けている。
//それが竜王の持っていた、竜としての本来の特性だというなら……どうか、竜王が孤独でないといい。
//ヒトである僕にそんなことを願われる筋合いはないだろうけどね。

アルス王国

概要

アルス王家を中心とした、軍事政権によって統治される国である。四季があり、夏は暑く冬は寒い。広い国土には近代的な都市群と、手入れされた自然がバランス良く広がっている。

王国という名の通り、王政を敷く。王家の下に将軍家が集い、政を行う。
将軍家はそれぞれ自身が治める行政区を持つ。行政区はそれぞれが独立した法や条例を制定し、さながらひとつひとつが小国のようでもある。

行政区は全部で13に分かたれている。
1区は王家の直轄地であり、土地の80パーセント程度は自然保護区とされ、無闇に立ち入ることはできない。
2区から12区は、各将軍家が治める。一部の区を収めていた将軍家はすでに潰えており、王家によって定められた機関による統治が行われている。
13区には将軍家がなく、王家や王家の定めた機関も統治していない。このため、13区は無法地帯と化している。魔窟であり、スラムである。

・アルス王家

アルス王国の統治者。主神である戦神アルスより勅を授かったとされる、建国の祖:≪統聖王≫アルスバートから1000年続く家系である。現在の王は≪逆心王≫アルグレイスと云う。
アルグレイスは先だっての大戦の折に、先代王であり叔父でもある≪放蕩王≫アルアドラより王権を奪い取り、大戦を収束させた立役者である。

・将軍家

≪統聖王≫アルスバートに従い、アルス王国の建国に加わった勇士たちの子孫。現在は王国の一区画ずつを任され、統治する。将軍家の当主は国軍で将軍相当の階級を自動的に得る。
大鷲の旗印:ロードクロサイト家や、剣と蛇の旗印:スプラウス家など。

人種

緋人族、鹿狼族が多く、混血も進んでいる。
さまざまな国から訪れた人が住んでいるため、人種的特色は薄い。

宗教

戦神にして光の神、アルスを主神とし信仰するアルス正教が盛ん。
アルスの聖なる加護が遍くを照らすとする図案、八方天輪をシンボルとする。

多神教的にさまざまな事象を司る神を内包しているが、あくまで主体はアルスであり、信仰の対象となるのはアルスだけであると考えられている。

アルスや神々の配下では、天使徒と呼ばれる神の子ら、御使にして地上代行者が働いているとされる。アルス王国建国の祖アルスバートは、斯様な天使徒が人の姿を取ったものであるとされている。すなわち、王家は神々の血を引くものである。

補遺

自宅の話をする時に”標準”としている国です。単にアルスとも。
現代日本(2020年代)と同程度の技術力、文明を有しています。ほとんどの人に教育を受ける権利があり、基本的人権が保障され、参政権があります。識字率も95パーセント以上です。

トヲラス翼神教国

概要

翼の女神、白薔薇の君こそ唯一の神であるとする女神教が根付き、独自の文化が強い宗教国である。女神教の最高指導者が国家元首を務めている。荒野・砂漠が国土の8割を占め、狩猟を中心とした文明に国家の起源があると考えられている。

現在は産油国として名高い。主要な産業は石油、宝石、貴金属、IT産業など。

人種

トヲラス人(トーリア)は、白髪や金髪のような淡い髪色と、対照的な褐色の肌が特徴である。男女問わず睫毛が長く、目鼻立ちがはっきりとしている。

翼を持つ者を「天狗」、持たぬ者を「地潜(ジムグリ)」、翼を持たず、獣のような特徴を備えた者を「人狼」と呼ぶ。それぞれ人口比で30%、60%、1%未満程度存在する。

土地の気候、環境の厳しさから、トヲラスは厳しい階級制度を敷いている。
天狗は地潜や人狼を虐げ、搾取することを許されている。髪の色、翼の枚数や美しさでもより優れた者が定められ、より優れた者はより良い扱いを受ける。

髪や羽毛の色は金、銀が少なく、白色、灰色、茶色系は比較的に多い。
特に白金色は少なく、白金(プラート)は女神教のシンボルカラーでもあることからも、非常に有り難がられる。白金>金=銀>白>灰=茶の順に階級が定められる。

天狗の翼は女神の加護や寵愛を示すと考えられている。羽毛の色は多くの場合、髪の色と同じものになる。まれにまだら模様になる者もある。
何臂何対の翼を生じるかは個人差があり、より多く、より大きく、より美しい翼が良いものとされる。天狗がこの翼で飛ぶことはできないが、どう云う理屈であるのか、体内に”たたむ”ことはできるようだ。

・天狗

トヲラス国では生まれついての特権階級である、背に翼を持つ者たち。
彼らの翼はプライドの象徴であるので、”たたむ”ことは少ない。

翼は血肉が通っている、列記とした身体の一部。柔らかくよくしなる、鷲や鷹などの猛禽類のような質感、形状をしている。雨覆羽と風切羽の色が切り替わる者もいる。飛ぶことはできないが、羽ばたくことは可能である。季節の変わり目には換羽する。

刺繍やビーズをあしらった豪奢な民族服、ターバンなどを身に付けることを許されている。

宗教関係や政治家、会社役員などの仕事は天狗だけが就くことを許された仕事である。
特に宗教関係職は見た目にも求心力のある、立派な翼や、特別な色合いの髪などを持つことを求められる。

宗教

女神教が盛んであり、国教である。
女神教に帰依しないものは国民として認められず、国外退去を言い渡される徹底ぶりである。トヲラス人は生まれると同時に女神教の祝福を受け、幼少期から女神教をベースとした教育を受けるため、洗礼を受けず、帰依もしない者は、幼少から国外で過ごしているような者ばかりである。

女神教は、トヲラス語で「デム・ア・ラエ」(翼の女神)と呼ばれる主神を持つ一神教である。

女神教の教えを伝える者は帥父・帥母(すいふ、すいぼ)と呼ばれ、シルク製のシンプルな礼装を纏う。多くの弟子を持つ者は大帥父・大帥母などと呼ぶこともある。最高指導者として教義を纏める者を元帥とする。

元帥は女神教の教えを教典から読み取り、広く国民に知らしめる役割を持つ。元帥は教義を解釈して、時流に合わせ公示する(福音)。女神教の教徒であれば、この福音には従わねばならず、福音は元帥の発音によってのみ告知・取り消しを行う。

女神の名において、婚礼や葬儀、子の祝福、洗礼などあらゆる行事が帥父母によって執り行われる。年に一度、夏至の日に女神の祭日があり、その一週間前から日中の断食・断水をする。祭りの当日は、日が落ちてから花火を上げて祝う。

荒れた国土を持つトヲラスに於いては、空は恵みをもたらすものでもあり、恐怖の源でもある。
その天空を人格化したものが翼の女神である。恵みをもたらす観点から、彼女は鳥獣(獲物)の守護神としても考えられた。彼女の領域である「空」は女神教に於いて神聖なものであり、翼はその領域へ渡るための寵愛であると考えられた。故に、背に翼持つ天狗は女神に愛された者として定義され、狩猟されるものである獣の特徴を持つ人狼は、女神の加護がないものとされ、嫌悪された。

・トヲラスの婚礼

女神教の婚礼は、家によって決まる許婚が殆どであり、翼の有無や髪の色などの階級を考慮し、お互いの家が納得する形で婚約を行う。青年の家は持参金を持たせ、娘の家は家財道具を持たせることが一般的。持参金や家財は家畜(山羊、羊、馬)などの資産で代替されることもある。

天狗同士での婚礼であれば、衣装は華やかなものを用いる。白を基調とした布を、女神教で尊ばれる色である金や緑色の糸、宝石や貴金属で飾る。刺繍の図案には翼や草木、星など、目出度いとされるモチーフが使われる。
式の当日は花婿が花嫁の家まで赴き、花嫁を馬や車に乗せて連れ帰る。

地潜、人狼同士の婚礼であっても、形式はさほど変わらない。衣装はより質素なものとなるが、同じく白を基調とした布に、金や緑の糸で飾り付けを施す。近年では、青年の家から持参金を持つことは人身売買のようにも見えることから、持参金の代わりに家財道具を贈ることが多い。

許婚を持たないか、婚約を破棄したような場合、自由恋愛による婚姻も行われている。
その場合は、青年が娘を家から(合意の上で)連れ去るという形式が取られる。両家は青年と娘へ遣いを出し、2人が婚姻に合意していることを確認する。その後両家で女神へ礼拝を行う。階級差のある者同士の恋愛結婚などはこの形式で行われることが多い。

近年では、国そのものが開けてきたこともあり、そういったカップルは国外の宗教の形式を採用する者も少なくない。婚姻の肝となるのは家財道具の交換と礼拝であるため、その部分を押さえていればある程度は自由なようだ。

・葬儀

土葬が中心である。

女神教の敬虔な信徒の葬儀では、鳥葬を行う事もある。鳥類は女神の使徒と考えられるためである。
鳥葬の場合でも完全に遺体を野晒しにする事はなく、葬送の為に作られた台の上に、死者の心臓をのみ捧げ、鳥が持ち去るのを待つ。その後、遺体を埋める。

帥父母は死者の安寧を女神に祈る。葬儀にはあまり時間を割かないことが一般的であり、死者の地位にかかわらず、シンプルである。

死者を悼む時には線香を焚き、煙を空へ送ることで、女神と、その袂にある死者の魂へ悼む気持ちを届ける。

・言語

トヲラス公用語(トーリアナ)と翼語(サントリナ)の2種類がある。
一般的にはトヲラス公用語が用いられる。翼語は語彙の多くを公用語と共有する、天狗だけが使うことを許された言葉であり、宗教的な意義が含まれる。天狗同士の会話では翼語が使われることが一般的である。

例えば、「翼の女神」は公用語では「デム・ア・ラエ」、翼語では「ヌルフ・アリアルハ」。「天狗」は公用語で「シエルトリアナ」、翼語では「シエルプラート」である。

「デム・ア・ラエル・ウル・ハジク」とは、「翼の女神の加護があるように」という意味になる聖句であり、祈りの末尾によく用いられる。

子供の名付けには、星や植物の名前をつけることが多い。
星は女神の領域にある、非常に尊いものである。植物は、女神の恵みである雨がなければ育たない。それぞれ女神教で好まれるシンボルである。

公用語で「Yes」に相当する語は「Ar(アール)」であるが、星を意味する言葉は「Al(アル)」である(このため、アル-という名前の者が非常に多い)。この2語の発音、聞き分けは母語でない者には難しく、トヲラス語初級者の壁と言われている。

・トヲラス翼彫紋

地潜は、背に翼の刺青を彫る。翼は女神の加護の象徴であり、そのシンボルを彫ることで加護を授からんとするもの。人狼はこの彫り物を公的に許されていない。

シンボルはトヲラス翼彫紋(トヲラス・トライバル)と呼ばれ、近年では芸術としての評価も高い。本来はまじないの意味のある紋様だが、若者はファッションとして彫ることもある。

一般的に、子が生まれた時、7歳の折、成人の折の3回に分けて模様を彫る(より緻密に彫り重ね、増やしていく)ことが多い。

・羽化症

トヲラス人によく見られる症例であり、かつては風土病であるとされていたもの。
現在は、「トヲラス系鹿狼族に非常によく見られるもの」であり、鹿狼族の血筋であればトヲラス人の血筋でなくとも発症の可能性があるものと考えられている。

発症すると、体の至る部位に羽毛状の組織を生じる。この変異は体内組織も例外ではなく、多くの患者は肌の内側に発生した羽毛が神経を圧迫する苦痛から逃れるため、自ら命を絶つ。

患者の終末期には、臓器が羽毛状の組織に変異することで、多臓器不全による死を免れない。このため、羽化症は死病であるとされる。

羽化症を発症するのは、天狗を除く、地潜と人狼のみである。このことから、かつて女神教では、「羽化症は、翼を持たず、女神への信仰が薄い者への罰である」とされた。

黒金のクムトール

Kumtor the Black-Gold

概要

竜種の職能ギルドこと「竜十字騎士団」に所属する騎士のひとり。現在は派遣の形で、護衛としてエル=レイに雇われ、商社トラムンタナに属する。若く見えるが、それは竜種故のことであり、年齢的・精神的には既に老境に達している。

性格、気質

無口で、あまり感情的ではなく、無機的な雰囲気を持つ。口調も常に丁寧語で、砕けた喋り方はしない。周囲からの印象として、冷たい、冷静、あるいは生真面目だと取られがちだ。
実際のところ、彼は非常に獰猛で暴力的な気質を持っている。騎士団の竜は、そうした竜の悪性とも言える部分を自らの意思で封じられるように鍛錬する。そのため、滅多なことでは感情を露わにしない。
目と耳を隠しているのもその一環である。余計な情報を遮ることで、彼の精神はより安定を見せる。すなわち、彼の本性が明らかになるとすれば、肉体的または精神的に追い詰められた時だろう。

好きなもの、嫌いなもの

落ち着いた環境、静寂を好む。心を乱されない環境に身を置きたがる。反対に、(見た目はともかく)精神面は老成しているため、若者が好むようなことはあまり好まない。
生来の凶暴性のため、戦うこと自体は好き。平穏が続くとつまらないと感じる事もあり、そうした時は鍛錬で誤魔化す。側から見れば、トレーニングが好きなように見えるだろう。
誤魔化しをするとき、クムトールは「いまだ人を襲わず、喰らわない自分」に安堵すると共に、「凶暴な本性を持つ自分」に嫌気がさす。

戦闘

帯刀しているが、剣を鞘から抜くことはほとんどない。騎士然とした佇まいや装備は、竜十字騎士団という彼の所属を表す役に立つため、多少なりとも「弁えた」者であるなら、無策で喧嘩を売ることはしないからだ。そして、弁えない相手には得物を用いる必要などない。
故、彼の二つ名の由来でもある黒い刀身を持つ剣、その美しい剣筋を見られる機会は多くない。しかし万が一の場合、彼は生来の凶暴性を遺憾なく発揮するだろう。なお、多くの竜種の得物と同じく、クムトールの黒剣は彼の血を固めたものだ。刀身の黒さは、彼の血が濃く、古い竜種であることを示している。

価値観、死生観など

己の凶暴な部分、竜としての悪性を恥と捉え、慎ましくあろうとする姿は美しい。が、竜十字騎士団の中でも彼ほど真摯に、ストイックに教義を受け止め、騎士たろうとする者は少ない。
竜のそうした獰猛で凶暴な側面は、竜が愛情と慈しみ深い者であることと表裏である。悪性の否定は善性の否定でもあり、己が竜であることを許容しない、自己否定へ繋がるものでもあるからだ。
クムトールは恐れている。自分の内にある竜が、いずれ自分の大切なものを破壊してしまうことを。

生まれ

竜種にしては珍しく、きちんとした生家があり、父母もまた竜の騎士であった。彼らは幼きクムトールの内に竜の悪性を見出し、それが彼と共に育つことを恐れたのだろう。クムトールは幼いころから騎士としての教育を受け、それを愛情として育った。

家族、対人関係

・両親
既に他界しているが、両親が常にクムトールを恐れていたことを、クムトールはしっかりと覚えている。

・エル=レイ
雇用主。彼があるじである以上、大切にするのは当然のことだ。そう自分に言い聞かせているが、クムトールのエル=レイに対する過保護ぶりは(無自覚に)相当なものである。

プロフィール

血 族:竜種(純血統)
年 齢:60歳までは数えた
誕生日:猛暑の夏
身 長:190ちょい
体 格:着痩せ+肉付きしっかり
口 調:無口、必要最低限
「御退がりを。荒事など、あなたは我々に任せておけばよろしい。」
「私は主人の剣であり盾です。それ以外のものは必要なく、従って、あなた方とは馴れ合う必要がありません。」(珍しく長文を喋ったと思ったら)

ストーリー

  • エル=レイは彼が本来凶暴で危険な男であることを知った上で雇っている。彼は”細心の注意を払えば爆弾は安全な物です”と言えるタイプ。
  • クムトールにとってレイは、陽の元へ連れ出してくれた希望であり光である。大切にしたいと思うと同時に、自分のような者がその輝きに触れて良いのかと常に躊躇っている。
  • 目を離した隙に主人が焼かれたり車に跳ねられたりした。
  • レイの病室のベッドで大声で泣き、謝罪を繰り返し、責任はどんな形でも取ると懇願したが、レイからはクムトールには責任がないと言われた。責任も取らせてもらえなかった。
  • 以後、レイに邪魔だと言われても張り付いていることが多くなり、過保護ぶりにも磨きがかかった。