エル=レイ・メルフィーオール

El=Rey Melphior

概要

探究心のある男なら、誰も手をつけていない”未開の地”にこそ焦がれるもの。フロンティアの黄金こそ、男の欲を満足させてくれるものだ。
「トラムンタナ・リゾート」の経営者、エル=レイという男は、まさしく征服者(コンキスタドール)である。世界の海を駆け回り、未来の観光地を見つけるのが、彼の仕事であり生きがいだ。現地に赴き自らの五体で調査を行い、観光資源化する。リゾートを建設し、客を呼び込み、自らの成果を見せつける。
彼を悪魔と呼ぶ者も居る。不躾な訪問者を大量に迎え入れるために、自然を破壊し土地の形を根本から作り変えてしまう。人々の風俗を否定し、より近代的に開かれたものを一方的に押し付ける。それはまさに悪魔の所業だと言う。
一方で、彼を神の如く称える者もある。観光資源化することで、消えゆく一方だった風習や小規模な産業は滅びの道から守られる。観光地化による稼ぎはほとんどが現地の人間に還元され、経済も潤う。それはまさに、神の所業に他ならないと言う。
エル=レイ自身は、自らをそのようなものだとは考えていない。そこに素晴らしい、見るべきものがある。だから見に行く。そして、他人にも見せる。それだけのことだ。

性格、気質

矢鱈に観光地を広げているように見えるが、彼自身の哲学と、少しだけ統計に基づいて厳選した土地だけを利用している。そこに至るまでは意外なほどに慎重に事を運んでいる。
仕事上のギャンブルもする事はあるにはあるが、勝ち筋のない戦い方はしない。負け筋を可能な限り減らしておき、必ず逃げ道を確保している。彼と直接相対したことのない者は、エル=レイを豪胆なホテル王だと思っている者がほとんどだが、実際には慎重かつ計算高い人物である。

好きなもの、嫌いなもの

好きなものは未開の地。それが開かれたリゾート地になった時が一番気持ちいいと思える。好みのタイプも未経験者。自分好みの開発を施すのがたまらないらしい。明るくて楽しい場所が好きで、逆に辛気臭い場所や雰囲気、ケチ臭い人は嫌う。
好きな食べ物はチョコレート。甘いのも苦いのも好き。嫌いな食べ物は生野菜。

戦闘

しない。護衛に任せる。

価値観、死生観など

未開のもの、という不可逆の価値を愛しているが、「それが未開でなくなったなら捨てる」のような割り切った考え方ではない。たとえ開拓が済み、多くの人がそれを踏み躙ろうが、それはエル=レイが愛すると決めたものに違いない。惜しみなく奪い、惜しみなく愛することを辞めはしない。たとえそれが、年月を経て人々に忘れ去られ無視されるようになったとしても、エル=レイにとってはいつまでも”彼の征服地”である。

生まれ

それなりの家でそれなりの教育を受けて育つ。父母は厳しくも、愛情も同様に注いでくれる人だったようだ。
経済を学び経営者になり、地道な成功を重ね、今に至った。純粋に、努力と才能でのし上がった人物である。

家族、対人関係

・シュワルツ
数少ない理解者。エル=レイも定期的にパンドラボックスへ遊びに行く。
シュワルツの母とエル=レイの母は同じメッセンジャー家の出身であり、シュワルツとエル=レイは従兄弟にあたる。親同士はあまり仲良くなかったようだが、本人たちは幼い頃から仲がいい。

プロフィール

血 族:緋人族
年 齢:45歳
誕生日:盛夏
身 長:190cm程度
体 格:しなやかに鍛えられた細身
口 調:厳しい丁寧語
「この辺りにホテルが建っていると、実に丁度いいでしょうね。もちろん、海が見えるように。」
「君の人生に私がいたことを、私は多少自惚れても良いという気がしています。もちろん、私の人生に君がいたことも、最高に素晴らしい出来事でしたから。」
「全く! 何度言ったら理解できるのですか! 私は海賊ではない!! 私が求めるのは法に則った支配だ!!」

ストーリー

・メインストーリーには絡まない。

・異国で現地妻(男)をゲット。身も心もメロメロになるが、連れ帰るのは野暮だな…と考えそのまま遠距離恋愛に。

・環境活動家により抗議の一環として、ガソリンをかけられ火をつけられた挙句、車で跳ねられ海に突き落とされる。左半身の大火傷、左眼の失明、左脚がうまく動かなくなる等の大怪我と後遺症を負うが生還した。

・傷跡を「自身の傲慢に対する罰」あるいは「それでも自分が正しかった証」と捉え、傷跡を消す治療は行わなかった。

・70歳ぐらいまではのうのうと生きる。

幸せに暮らしましたとさ。

疾風の金峰

JinFeng the Gale

概要

商社トラムンタナの創業以来、社長秘書として務めている竜種の女性。雇用主であるエル=レイからの信頼も厚く、曰く「彼女が居なければ仕事が回らない」。一を聞いて十を知るどころか、百の仕事で答えてくれる有能ぶりであるらしい。

若い頃はヤンチャしてた、と本人談。

こう見えて二児の母であり、とうに子育ても終えて子供たちは独立している。ベテランのママである。

性格、気質

冷静沈着でテキパキとした仕事ぶりだが、性根はお茶目で悪ふざけが好き。しかし、仮にも雇用主であるエル=レイを揶揄っていじることを許されているのは、彼女の仕事ぶりや性格故ではなく、互いに創業以来の戦友であるところが大きいのであろう。

好きなもの、嫌いなもの

カレーが好き。毎週かならず一度は作るらしい。甘口派閥。元を辿れば、今は亡き恋人、子供たちの父親が好きだったものだ。

彼を失う原因になった自動車や峠道には、いまだに良い印象が無い。

戦闘

できなくはないが、もっと適任の竜種が側に控えているので、積極的に戦うことはない。

価値観、死生観など

恋人をあっけなく事故で失ったことから、人は死ぬ時はあっさり、あっけなく死ぬものとして捉えている。生命は一瞬で失われ、最悪な時に底はない。なにせ、彼女は彼と同じ車に、彼の隣に座っていたのだ。彼の血飛沫が彼女の肌を濡らしたときのことを今もはっきりと覚えている。それがどれほど「クソな」体験だったか、語りこそしないけれど。

それでも彼女が生きなければと思ったのは、そのとき彼女の胎に双子の生命が宿っていたからだ。彼女を殺そうとしたのも生命であり、生かしたのもまた、生命である。

だから金峰は、命を尊び言祝ぐ。日々、死に向かいながら生きているものを美しいと感じる。愛おしいと思い、慈しむ。それが自分より遥かに弱く脆い、人類種であればなおのことだ。

生まれ

彼女自身がそれを語ることはない。おそらく、楽しい思い出ではないのだろう。

出身地は東邦である。それは彼女の名前が東邦風であることからも察することができる。

家族、対人関係

・子供たち

双子の子供たちとは、彼らが独立してからも仲が良い。頻繁に連絡を取り合っている。彼らの片方はレイの名を、もう片方は亡き父親の名を貰っている。

・エル=レイ

雇い主であり、大切な存在でもある。戦友と形容するのが最も相応しいと感じている。

プロフィール

血 族:竜種

年 齢:歳上の女に尋ねることじゃないだろう?

誕生日:初霜の降りる頃

身 長:長身、2mを超えている

体 格:すらりとしているが、骨格はがっしり

口 調:飄々として抑揚が強い

「いやあ、旦那様には頭が上がりませんからねぇ」

「レイ、アンタってば可愛いところもあるじゃないの。」

「アタシはアンタたちのママじゃないよ!お尻ぐらいは自分で拭くこったね!」

ストーリー

・夫になるはずの男に事故で先立たれた後、お腹の子供を養うため就活に明け暮れていたが、どの相談所もほぼ門前払いの扱い。

・夜の街をとぼとぼ歩いていたところに声をかけてきたのが若きエル=レイであった。

・当時のエル=レイはまだ会社を興したばかり。

彼女の話を聞いて、自分に賭けてみるつもりはないかと問うた。そして、ジンフェンは心中するつもりで手を取った。

・結果はこの大成功だ。だからジンフェンは本当にエル=レイに感謝しているし、エル=レイもジンフェンに感謝している。

黒金のクムトール

Kumtor the Black-Gold

概要

竜種の職能ギルドこと「竜十字騎士団」に所属する騎士のひとり。現在は派遣の形で、護衛としてエル=レイに雇われ、商社トラムンタナに属する。

若く見えるが、それは竜種故のことであり、年齢的・精神的には既に老境に達している。

性格、気質

無口で、あまり感情的ではなく、無機的な雰囲気を持つ。口調も常に丁寧語で、砕けた喋り方はしない。周囲からの印象として、冷たい、冷静、あるいは生真面目だと取られがちだ。

実際のところ、彼は非常に獰猛で暴力的な気質を持っている。騎士団の竜は、そうした竜の悪性とも言える部分を自らの意思で封じられるように鍛錬する。そのため、滅多なことでは感情を露わにしない。
目と耳を隠しているのもその一環である。余計な情報を遮ることで、彼の精神はより安定を見せる。すなわち、彼の本性が明らかになるとすれば、肉体的または精神的に追い詰められた時だろう。

好きなもの、嫌いなもの

落ち着いた環境、静寂を好む。心を乱されない環境に身を置きたがる。

反対に、(見た目はともかく)精神面は老成しているため、若者が好むようなことはあまり好まない。

生来の凶暴性のため、戦うこと自体は好き。

平穏が続くとつまらないと感じる事もあり、そうした時は鍛錬で誤魔化す。側から見れば、トレーニングが好きなように見えるだろう。

誤魔化しをするとき、クムトールは「いまだ人を襲わず、喰らわない自分」に安堵すると共に、「凶暴な本性を持つ自分」に嫌気がさす。

戦闘

帯刀しているが、剣を鞘から抜くことはほとんどない。騎士然とした佇まいや装備は、竜十字騎士団という彼の所属を表す役に立つため、多少なりとも「弁えた」者であるなら、無策で喧嘩を売ることはしないからだ。

そして、弁えない相手には得物を用いる必要などない。

故、彼の二つ名の由来でもある黒い刀身を持つ剣、その美しい剣筋を見られる機会は多くない。しかし万が一の場合、彼は生来の凶暴性を遺憾なく発揮するだろう。

なお、多くの竜種の得物と同じく、クムトールの黒剣は彼の血を固めたものだ。刀身の黒さは、彼の血が濃く、古い竜種であることを示している。

価値観、死生観など

己の凶暴な部分、竜としての悪性を恥と捉え、慎ましくあろうとする姿は美しい。が、竜十字騎士団の中でも彼ほど真摯に、ストイックに教義を受け止め、騎士たろうとする者は少ない。

竜のそうした獰猛で凶暴な側面は、竜が愛情と慈しみ深い者であることと表裏である。悪性の否定は善性の否定でもあり、己が竜であることを許容しない、自己否定へ繋がるものでもあるからだ。

クムトールは恐れている。自分の内にある竜が、いずれ自分の大切なものを破壊してしまうことを。

生まれ

竜種にしては珍しく、きちんとした生家があり、父母もまた竜の騎士であった。彼らは幼きクムトールの内に竜の悪性を見出し、それが彼と共に育つことを恐れたのだろう。クムトールは幼いころから騎士としての教育を受け、それを愛情として育った。

家族、対人関係

・両親

既に他界しているが、両親が常にクムトールを恐れていたことを、クムトールはしっかりと覚えている。

・エル=レイ

雇用主。彼があるじである以上、大切にするのは当然のことだ。そう自分に言い聞かせているが、クムトールのエル=レイに対する過保護ぶりは(無自覚に)相当なものである。

プロフィール

血 族:竜種(純血統)

年 齢:60歳までは数えた

誕生日:猛暑の夏

身 長:190ちょい

体 格:着痩せ+肉付きしっかり

口 調:無口、必要最低限

「主、お下りを」

「私は主人の剣であり盾です。それ以外のものは必要なく、従って、あなた方とは馴れ合う必要がありません。」(珍しく長文を喋ったと思ったら)

ストーリー

・エル=レイは彼が本来凶暴で危険な男であることを知った上で雇っている。彼は”細心の注意を払えば爆弾は安全な物です”と言えるタイプ。

・クムトールにとってレイは、陽の元へ連れ出してくれた希望であり光である。大切にしたいと思うと同時に、自分のような者がその輝きに触れて良いのかと常に躊躇っている。

・目を離した隙に主人が焼かれたり車に跳ねられたりした。

・レイの病室のベッドで大声で泣き、謝罪を繰り返し、責任はどんな形でも取ると懇願したが、レイからはクムトールには責任がないと言われた。責任も取らせてもらえなかった。

・以後、レイに邪魔だと言われても張り付いていることが多くなり、過保護ぶりにも磨きがかかった。

蛇の海たるグラスバーグ

Glasberg the Serpent Sea

エル=レイの船で船長として雇われている竜。

古い竜種。船が木造だった時代から船と一緒に生きているらしい。
お金ももらえて船触ってて遊んでて良いのでエル=レイには感謝しかない。
船を相棒とかは思ってないので乗り換えには躊躇がない。より巧みで早い船が好きや。

グラスバーグは古い竜だ。なにせ船が木造だったころから生きている。
船を駆るのが彼の楽しみで、波に揺られるのが喜びだった。
海洋冒険家として過ごしてみた時期もあったが、竜という身の上では、大抵何を成しても「まぁ、竜だから」という視線。じきに人々には飽きられた。
やがて努力をするのにも飽き、海で過ごすことも諦めた。
いつかは海でと思いながら、微睡む日が増えていく。
そうして何年もの月日が経ったころ、ひとりの男が訪ねてきた。
船乗りを探していると云う。小さい頃に冒険記を読んだことがあると云う。
まだ、船に乗る気があるかと、問う。
果たしてグラスバーグは再び海へと戻ることができた。
あの時全てを諦めて、永遠の眠りに就くことを選ばなくて本当に良かったと思っている。

スターウェルと社内恋愛中。

「好候!いい子だ、そのまま突っ走れ!」

金兎のスターウェル

Starwel the Moon Rabbit

エル=レイの部下のひとり。会社の出納会計を預かる。
数字に強く、暗記も得意。円周率たくさん言えるタイプ。記憶力もよい。
ハッカーとしてブラック企業で劣悪労働させられていた。
それを引き抜いて今の環境に置いてくれたのがエル=レイ。
なのでレイのことはマジで尊敬している。
夜型なスターウィルに合わせたシフト勤務もさせてくれる。

グラスバーグと社内恋愛している。
パ⚫︎活とか揶揄うと殴られる。すごい真面目に恋しているので。
グラスバーグのことは愛を込めて「だぁ」と呼んでいる。

ゴリゴリのゴアホラー、サスペンスなどを見るのが好き。
でもクモとかヘビとか蟲蟲したものはちょっと怖い。
あっけらかんとした19歳。

「これ、今月のお給料。ちょっと増えたかも。やったね」

双檎のナイナス

Niners the Apples

左がナイナカリフ、右がナイナルニア。
Ninercalif、Ninernia

エル=レイの部下のひとり。ひとり?
部下というか、いつのまにか船に住み着いて勝手に働いてた謎の双子。
仕方がないので雇用した(この世界は竜種を雇用する場合児童を働かせてもよいのである)。
思い思いに掃除したり炊事したり洗濯したりしているが、あまり他人の言うことは聞かないようだ。

周りの大人に遊んでもらうのが好き。かくれんぼとか好き。
誰かの仕事の邪魔をしてエル=レイにケツを引っ叩かれていることがある。

いつも元気一杯に突っ走るナイナカリフと、その後を追っかけて突っ走るナイナルニア。
双子だが、どちらが兄で弟ということはないようだ。

出自にはとある秘密がある。
その話は、今はまだ内緒。

「あそぼ!」「あそぼ!」