Schwarz fon Rhodochrosite
概要
アルス13の自治圏区のうち、最も華やかで、最もおぞましいとの呼び声高い、『偕楽の11区』がある。そこではあらゆる地上の快楽、あるいはあらゆる嫌悪すべきものが公的に認可され、広く愛されている。
11区の法は明確でありただひとつ、『受容と供給』。他者を受け入れ、また、自らを供すること、だけだ。己の悦楽を他人に課してはならず、また、他人の悦楽を排してはならない。遍く人は悦楽の為に生きるのであり、悦楽のために死ぬのである。故に11区はあらゆる快楽が提供される街足りうる。不夜の街足りうる。
11区を治める将軍家は、大鷲の旗印を翻すロードクロサイト家。シュワルツは当代の大鷲、鷲将軍その人であり、現代の楽土の王である。将軍家としての権能を注ぎ込み、彼は11区を守り、愛し、育んでいる。そこに住まう全てを愛し、慈しみ、眠らぬ楽園を作り上げること。それが彼らロードクロサイトの悲願である。
ロードクロサイト家が母体として運営している会社としてパンドラボックスがあり、また、同様に彼らが経営するカジノの名もパンドラボックスである。
性格、気質
性格は明るくあっけらかんとしていて、凡そ恥じらいというものが無いように見える。大真面目な顔で下ネタを語り、他人事であるかのように己の身体を差出せる。常に愉しげに微笑み、あらゆる出来事を楽しんでいる。見るものが見れば馬鹿馬鹿しくも思える姿だが、決して愚かではなく、知的な人物でもある。彼はエロを嗜める知性ある大人の男ではなく、知性を嗜めるエロティックな大人の男なのだ。
快楽ごとに関わらず、シュワルツは好奇心がとにかく強い。新しい物事に目がなく、最新の遊戯だと言われれば喜んで試し、あるいは古物であれ、味わい楽しむ。しかしながら楽しんだ後の批評は鋭く、指摘も的を射たものであるため、ただ蒙昧に楽しんでいるだけというものでもない。そこには一種の責任感が伴う。彼の場合は、11区のどろどろとした安寧と平安を守る事が、その責任を果たすことなのだ。
好きなもの、嫌いなもの
シュワルツは快楽を愛し、醜悪をも愛する。故に特定のものを嫌うという事は少ないが、故に他人の快・不快を他人が断じ論ずる事は良く思わない。何を快と感じ、不快と感じるかは、それを感じる本人の自由であり、他人が定めるものではないと認識している。そしてその法に従う限りの人間は愛するが、従わない者は彼の愛に叛いた者と見做し、手放す。シュワルツは他者を嫌いこそしないが、ただ興味を失くすのだ。
もっと単純な彼の個人的な好みとしては、食事は贅沢な方がよい。この世の贅、或いはこの世を超えた贅を堪能する日々ではあるが、意外なことに好物はクレム・カラメル……要するにごく一般的に云うプリンだったりする。
戦闘
国家に仕官する将軍家の者であるが故に、それなりの武術などは身につけているが、護身術の域を出ない。有事の際に本人が直接戦う、という事は無く、配下の者を頼る。
価値観、死生観など
快楽は生きてこそ堪能できるものであるから、生きる事に主眼を置き、その生命をより快く生きるかに注力している。死んでしまえば元も子もない。
また、殺しや、他人を痛めつける事で快楽を得る手法については、本人同士の間で、その合意が取れているかを重視する。一方的な殺戮や強姦のようなやり方は、彼の法の範疇を超える。あくまで、快楽は受容と供給あってこそ、というスタンスでいる。
生まれ
まだ物心つく前から、シュワルツの父、先代の大鷲は教えていた。お前は己の実の子ではない。妻の不貞で出来た子だ、と。
ロードクロサイトはみな『そう』なのだ。男であれば種がなく、女であれば卵がない。故に、ロードクロサイトが子を成すには、妻の、夫の、不貞が必ず必要だ。それを許容出来ない者は、大鷲の玉座に相応しくない。妻の不貞現場を、晩餐の伴奏にする程度の度量でなければ、楽土の支配者は勤まらぬ。血の繋がりなどという曖昧なもの、そんなものは不要で、無価値なのだ。それを呪いと取るか祝福と取るか。後者と見做すなら、お前は己の子でなくとも、必ずや大鷲の玉座を賜うのだ。
果たして言葉通りであった。シュワルツには子を成す力は無かったが、彼はそれを呪いとはちっとも、思わなかったのだ。
家族、対人関係
・ツキヒメ
愛すべき女で、パートナー。姫と呼び可愛がっている。息子を産んでもらった。
・パンドラの従業員たち
ほぼ全員抱いたか、もしくは抱かれた。
・クローバー貿易商会
業務提携先。いろんな意味で欲しい。オルティとは食事に行く程度の仲である。
・ホワイト
一方的にライバル視されている。シュワルツ本人は一切嫌っておらず、彼女が望めば抱く程度には好きなのだが。
プロフィール
血 族:緋人族
年 齢:40代後半
誕生日:初冬
身 長:186cm
体 格:やや肉付きが良くしっとりとした筋肉がある
口 調:知的、愉しげ
「己の快楽、己の不快。それらを他人に押し付けない。すべて許容する。たったそれだけさ、私の法は。そしてその法に万人が従うのであれば、すなわちそれが平和なのだ。」
「それで、どうだ。私を抱く気になったかね?」
「私はお前のことも、姫のことも、同じぐらい愛しているよ。勿論、他の誰の事も同じぐらいに。お前だけの私でなくてすまないが、それでも私に仕えてくれると言うならば、私は最大の恩寵でお前に報いよう。」
ストーリー
・主軸となるストーリーには大きく絡まない。四ツ葉の同盟相手、あるいはスプラウスのライバルとして、またあるときはカジノ経営者として登場する。
・四ツ葉崩壊後、従業員の一部をパンドラボックスに引き受ける。