Merrylamb

概要
クローバー貿易商会の雑務担当。清掃やお茶汲みから、口を割らない相手の拷問まで、何でも卒なくこなす。
プロフィール
血 族:トヲラス系鹿狼族
年 齢:不詳(20代?)
誕生日:不明
身 長:160cm+ハイヒール
体 格:Jカップ
口 調:眠たげな、媚びた女の調子
「あ、もしかして期待してる感じですかぁ。残念ですけどぉ、えっちなことはしないんですよぉ。」
「そういうのいいんで。情報だけちゃっちゃと吐いてもらえますかぁ?」
外見描写
艶やかで瑞々しい褐色の肌、長く豊かな淡い色の髪。髪は少し癖があり、色味は灰色がかっているが、光に当たれば緑色を帯びても見える。それはなめらかな天鵞絨のようにさらさらと、美しく色合いを変えるのである。その髪を、大抵は後頭部でひとつに束ねている。
やや目尻で下がる眉と、長いまつ毛に縁取られた眼はどこか気の抜けた風体である。明るい琥珀のような、あるいは暗い黄金のような色の瞳もどこか眠たげで、眼差しには鋭さがない。主張しない鼻筋、小さくてぽってりとした、開き気味の唇も男好きのする印象。そんな見た目と口調に依らず、意外なほどに話す内容はきっぱり、さっぱりとしている。
そして、どうしても豊満なバストが目を引く。メリーラムはいつも、その柔らかく大きな水風船のような褐色の膨らみを見せつけ、強調する服を選ぶのだ。大抵は下着すらまともに身につけておらず、いわゆる裸エプロンのようなスタイルである。ホワイトブリムを頭に乗せ、奇妙な小間使いとしてメリーラムはそこに居る。
性質
メリーラムは、取り立てて殺しが好きだとか、断末魔が好きだとか、そういう性癖を抱えているわけではない。単純に、仕事だからそうしているだけだ。
標的を拷問し、ありとあらゆる責苦を与え、生かさず殺さず全力で嬲り搾る。仕事だとはっきり認識しているため、遊んだり、不用意に殺したり、逆に延命させたりすることはしない。見かけよりもメリーラムは、線引きがしっかりしているほうだ。
スクールには通えなかったが、勉強には熱心。仕事のためになる医学には特に興味がある。単純な読み書きや計算をロータスから教わっている。
戦闘
闘うのは不得意。メリーラムの技術はあくまで、甚振ることに特化したものである。
ストーリー
・商会に救われ、初めは秘書として雇われる予定だった。しかし読み書きが出来ないことを不安に思い、メリーラムから辞退。
・その後、オルティが潔癖気味であること、商会には汚れ仕事をできる者が居ないことを知る。それならばと汚れ役を引き受け、今に至る。
Read More – 聖餐
メリーラムは、腹の中で育っていくその生命が恐ろしかった。
アルスに暮らすトヲラス人が、娼館の生まれであることは珍しいことではない。トヲラス人、あるいはその血を引いている女が生計を建てるために、それよりも稼げる仕事は無いからだ。そして、激化した市場競争は特殊な性行為の提供へと偏っていく。
だからメリーラムも、その凡例のひとつに過ぎない。
初潮よりも先に妊娠した彼女は、何度も腹の子に語りかけた。産まれてきてはだめ、ずっとそこに居て。それが叶う訳もないと知りながら。
無事に産まれたとしても、この子は自分と同じように慰み物になるだけだ。そして、彼らにはこの子を無事に産まれさせる気がないと、薄々勘付いてもいた。
——思い出したくもない。けれど忘れられることもなく、それはずっと頭の片隅にある。
腹を割かれ、産声ひとつあげずに取り上げられた我が子。真っ赤に濡れた小さな命。唇に押し込まれる肉の味。生臭く、鉄臭く。嫌悪感と拒絶が胃液と共に遡る、その味。その味だけが、ずっと舌の上にあるような気がする。
以来メリーラムは、物を食べても何の味わいも感じられなくなった。その記憶を上書きすることも叶わないままに、ずっと。
Read More – 聖誕
「なるべく傷の残らないようにしてやってくれ」
医者らしい男が呆れたように肩をすくめる。彼は外科医ではあるが、美容にはとんと疎いらしい。頼む相手が違うだろ、と呟く彼は、積み上げられた札束に目の色を変えた。
「まあ、やれるだけやってみる。……ったく、とんだ誕生日だ。」
メリーラムの意識は、そこで一度途切れた。
微睡みながら、夢を見た。
店が潰れたこと。ろくに稼げなかったこと。どこかのヤクザ者たちの縄張りに入り込んでしまったこと。ひどい暴行を受けて稼ぎを持っていかれたこと。
今度こそ本当に死ぬのだと思った。あの時、我が子の一部を口にした時、メリーラムの心は死んだ。けれど身体は味覚を失っただけで、未だ図々しくも動き続けている。悲しいだけでは人は死なないのだと、メリーラムに突きつけるように。けれど、今度の今度は本当に、死ぬのだと思った。
あまり、怖いとは思わなかった。けれど、あの子の命を喰らっておいて、少しも長く生きられなかった。ぼんやりと、それが悔しいような気がした。
気づけば、ぐったりと横たわった重い身体を、誰かがじっと見下ろしていた。メリーラムがまだ息をしていると知り、彼は泥と血でぐしゃぐしゃの、殆ど死体のようなメリーラムを抱き上げた。高価そうなコートを脱いで、メリーラムの肌を優しく包んだ。冷たい雪の中、薄く曇った暗い光が、彼の白金色の髪を照らしていた。悼むように目を閉じた彼は、君を必ず助ける、と呟いた。
しんしんと白く眩しい夢。苦く甘く、馥郁とした香に包まれた夢。
——オルティは煙草を咥えて、何も理由を説明しなかった。
だから目を覚ましたメリーラムも、何も聞かなかった。この味気ない世界で生き直す理由など、メリーラムは求めなかった。ただほんの少しだけ、彼の力になりたいと思った、ような気がしたから。