カマロ・アルヴァルソン・ルカヤルヴィ

Camaro Alfarsson Rukajärvi

概要

竜種の青年。聴覚が非常に過敏で、音から色や形、情景を感じ取る共感覚を持っている。聴力を抑えるために薬を処方されている程で、足音や心音を感じて、それが誰のものか当てることもできる。小さなライブハウスでギターを弾いている。
エヴァグリーンとは同僚であり、同族でもあるが、性格は似ても似つかない。カマロは温厚で穏やかで、人懐こい笑顔を浮かべていることがほとんどだ。しかし時たまに見せるミステリアスな表情や、拍子抜けするほど冷淡な言葉は、彼が確かに人外のものであると感じさせるに足る。

実態は竜種の中でもほぼ最高位に位置する『魔竜王』、その魂を受け継ぐ者。魔竜王の魂は2つに切り分けられ、永い封印の眠りに就いていたが、ある事件をきっかけに解放される。この時解放された魂の半身、その現身がカマロである。
本人にはその自覚は無く、また、自覚したからといってどうなるものでもない。彼は魔竜王ではなく、あくまでも現身――リンゴ農家の息子で、ギターが上手くて、泣いたり笑ったり人を殺したりするだけの存在なのだから。

性格、気質

何を考えているのかわからない、とは周囲の弁だが、本人は気にしていない。見ようによっては愚昧とも取れるが、単純に裏表のない性格をしているだけで、基本的には無害である。竜種の例に漏れず、彼もまた同様に愛情深い側面を持つ。そして、カマロの場合、その愛情は現在のところ主にエヴァグリーンへ注がれている。

好きなもの、嫌いなもの

リンゴ農家の息子で、好物もリンゴ。リンゴだけで生活できると言い張る。体重もリンゴ3個ぶん。得意料理はアップルパイ。
リンゴを好きになったのは、小さいころに食中毒にあたり、その時に唯一食べられたものだから。そしてそれ以来、肉や魚、特に生モノはあまり食べなくなった。
また、出身地が寒冷地のため、竜種にしては珍しく、寒さに強い。 冬は好きだが、逆に夏は嫌い。日焼けをするとすぐに皮膚が赤くなってしまうので、日焼け止めが手放せなくなる。
耳が良すぎるため、騒音や人の多いところはあまり好まない。苦手だというよりは、頭痛や吐き気を催すため、どうしても近寄りがたい。

戦闘

竜種なりの筋力や力強さはあるが、戦闘事はあまり得意ではない。
ギターを弾いて味方を鼓舞したり、相手の動きを鈍らせることができる。

価値観、死生観など

カマロの価値観や死生観を理解するのは難しい。彼は決して、生を憎んではいない。しかし、死を嫌悪することもない。人を殺すことに躊躇しないが、道端の猫の轢死体を埋めてやることはする。カマロにとって、それらは相反することではなく、ひとつにつながっている。生命の先に死体を見、死体の先に生命を見る。彼には、生も死も同じことのように感じられているのかもしれない。
しかし推しの死には弱い。

生まれ

魔竜王の魂の現身である彼には、親がいたのかいないのかさえ分からない。リンゴ農家の両親はあくまで育ての親であり、里親である。彼は児童保護施設から両親に引き取られ育てられた。両親は人類種であるため、カマロはそのことを物心ついたときから知っていた。両親は愛情を注ぎカマロを育てたので、カマロも彼らのことを愛していた。なお、姉ジュリエッタは両親の実子である。

家族、対人関係

・義両親
関係は良好で、両親はカマロのやりたいことを常に尊重していた。彼が自立しても、両親の彼に対する姿勢はあまり変わっていない。

・ジュリエッタ
愛する姉であり、カマロにとっては初めての恋人、想い人でもある。彼女を守るために、カマロはある事件を引き起こした。

・エヴァグリーン
彼に惹かれる理由はいまいちよくわかっていない。ただ、漠然と傍に居なければならない気がしている。

プロフィール

血 族:竜種
年 齢:21歳
誕生日:5月中旬
身 長:183cm
体 格:細長い
口 調:やわらかく人懐こい

「エヴァでしょ。足音ですぐ分かったよ。」
「俺は別に、そんな大層なこと考えてないよ。大事なことは自分で決めたいって思ってるだけだ。人を殺すとかってことも、人任せにしたくないってだけ。」
「ごめんね、それでも俺は君を生かすよ。君を殺してでも君を生かす。たとえ世界中を、君でさえ敵に回したとしても。」

ストーリー

・ハイスクール生のころ、ジュリエッタと体の関係を持った。酔いつぶれたジュリエッタからカマロを誘ったのだが、カマロにとってそれは願ってもないことだった。

・何度も体を重ね、お互いに愛し合っていたが、あるとき暴漢に襲われたジュリエッタを助けるため、カマロはその暴漢を殴り殺してしまう。

・竜種の犯罪対策が強化される時世であったこともあり、カマロのしたことは正当防衛とはいえ過剰であると判断された。懲役刑を受けることになったカマロはジュリエッタと引き離される結果となった。

・出所後、義両親、姉ともにカマロを暖かく出迎えてくれたが、カマロは姉の胎に宿っていたはずの命が失われていることに気が付く。そのことを悲しみはしたものの、姉を恨むことはなかった。

・その後は地元の軽犯罪グループに所属したり、バンド活動をしたりで何となく過ごしていたとき、エヴァグリーンと出会う。エヴァグリーンにとっては初めての同族の友人であり、カマロ自身の人懐こさもあり、距離は簡単に縮まった。

・エヴァグリーンがカマロの元を去った後は両親の許へ戻り、リンゴ農園の手伝いをして暮らしていた。その後エヴァグリーンが連れて戻って来た、ネイディーンを二人で育てることとなる。

・重傷を負い、死に体だったエヴァグリーンを魔竜王の権能で吸収した。その姿がスノウメルトである。

エルドラド・ドゥ・ナスタヤーシャ・ヴィア・アマデウス3世

El-Drad du Nastoyashcia via Amadeus Third

概要

この世には2種類の人間がいる。金を使う者と、金に使われる者だ。しかし、彼はそのいずれでも無い。投資家エルドラド・ドゥ・ナスタヤーシャ・ヴィア・アマデウス3世。アマデウス家の3代目にして生まれついての大金持ち、おおよそ金に不自由などした事がなく、ゆえにこの世の全てに不自由した事がなく、金を使いも、金に使われもしない。

道楽的に楽観的に毎日を過ごしていたエルドラドは、ある日誘われたパーティで運命の人に出会った。美しく精悍な顔立ち、白金にきらきらと輝く髪、宝石のような碧い瞳。立ちのぼる色香に誘われるように、エルドラドは懐から小切手を取り出した。
「ペットになってくれないか?」
信じ難く度し難いその台詞を聞いたその運命の人——オルティ・クラヴィアドは驚きと怒りに唇を震わせ、限りなく低い地の底のような声で「嫌です」とだけ返した。
以後、エルドラドはオルティとの(腐れ)縁から(半ば強引に)クローバー貿易商会の(クソ)顧客となり、どうでもいい株価なぞを聞きに商会を訪れるようになったのであった。

性格、気質

朗らかで明るく、楽しく遊ぶことが好き。金に不自由もなければ、糸目をつける必要もないため、ポンポンと気前よく金を払い、豪快に豪放に遊びまくる。

——というのは表向きの顔であり、その性癖は捻じ曲がり歪み果てている。彼は己に好意を向けられる者に興味を抱かない。むしろ彼を拒絶し、嫌い、憎む者にこそ興味を惹かれ、好奇心を刺激され、股間を膨らませるのである。目下のところ、彼のその嗜好はオルティに向けられている。

好きなもの、嫌いなもの

オルティがエルドラドを嫌えば嫌うほど、エルドラドはオルティを愛し追い詰める。そうしてさらにオルティがエルドラドを嫌えば、ますますエルドラドはオルティを愛して可愛がる。それが本当に愛であるかどうか、そんなことにエルドラドは興味を持っていない。大切な事は、その獣がエルドラドを憎み、忌み嫌っているということだけだ。

エルドラドは愛してくれる誰かに対しては全く興味を持たないが、興味を持たないだけで嫌いはしない。嫌いなものといっても金でなんとかしてしまうため、特に悪感情を抱くということもない。面倒になれば金。これですべて解決なのだ。

戦闘

金の力で解決する。本人が直接戦うということは無いが、湯水のように金を突っ込んでくるので正面切って戦うのは非常に危険である。もちろん、金だけで誰かを黙らせるとか再起不能に追い込むとか、そういうことも大得意だ。

価値観、死生観など

エルドラドにとって、金に勝る価値を有したものはない。であるから、それを拒絶するのは彼の感性では考えられないことだ。もちろん他人の命も金で買えるので、命が金より重いと思ったこともない。

そのつもりはないがナルシストで自信家な側面もあるため、他人の名前を呼ぶとその人間が自分を好きになってしまうと思っている。他人のことは名前や ニックネームで呼ばずに「お花ちゃん」や「小鳥ちゃん」等と呼ぶ。

生まれ

アマデウスの1代目は醜男であったが、荒稼ぎした金で極上の美人を手に入れて妻にした。そうして生まれた2代目は父親への対抗心から、母親を上回る美人を探し、そして妻にした。エルドラドはその美人から生まれた一粒種であるため、2人の美女の美しさを受け継ぎ、人好きのするハンサムな顔立ちをしている。

家族、対人関係

・オルティ
手に入れたい相手。彼のことは「仔猫ちゃん」と呼んでいる。オルティからはガンガンに嫌われまくっているが、それが快感になっている。

プロフィール

血 族:緋人族
年 齢:32歳
誕生日:初夏
身 長:180cm前後
体 格:肉付きよく健康的
口 調:明るくあっけらかん

「君!!!俺のペットになってくれないか?」
「やっほー仔猫ちゃん!今日も可愛いね!」
「俺は思うがままに俺だった!その物語になんの後悔も恥じらいもないさ!だから俺はここで死んでもずっとずっとずっとずっとずうっと君を愛しているよ、オルティ!」

ストーリー

・「四ツ葉」ことクローバー貿易商会の重要な取引相手である。
・事あるごとに商会に絡み、オルティにちょっかいをかける。
・好事家としてフィラデルフィア号、もとい蒐集船イーデンに乗り込み、オルティとエヴァグリーンの前に立ちはだかった。