白き眠りの神

GIMPS

Gently Ideal Malignant Philanthrophic Slumberer

概要

優しく、理想的な、悪性の、慈悲深き、微睡み。悪夢の神より神の権能を譲渡され、新たな神威と成った英雄ギンプの姿である。
普段は夢界、棄却世界と呼ばれる異界で過ごしているが、代理大神として人界の出来事を観察し、必要と看做せば手を加える。

権能

・万能神の代理権能
上位の神々が全て存在しないことを条件に利用可能となっている力。ある種の権能を持たなければ利用できないシステムを解放し、常時利用可能とする。
また、権能を創造したり、他者に権能を譲渡あるいは貸与したりすることも、この権能が可能としている。
この権能自体は能動的に譲渡することができず、自身が零落、あるいは消滅する際に自動的に剥奪され、次席のものへ与えられる。
また、(ありえないケースではあるが)より上位の神が存在するようになった場合は、最も席次の高いものへ与えられる。

・白き眠りの紡ぎ手
夢界を自身の領土として扱う権能。出入りや他者を招くことを可能にする。

・夢を導くもの
人の夢に対して、夢の神の”祝福”を与える権能。ギンプの来歴から発現した。与えられた者の願いの強さに応じて力を貸し、本人の地力以上の力を発揮させる。

・死を看取るもの
かつての死神、悪夢の神から譲り受けた権能。相手がなんであれ眠りを齎す力であり、より深い眠り、即ち死にさえ及ぶ。ただし、悪夢の神のものとは性質が異なり、”穏やかな”眠りを与える権能へと変化している。

下位ユニット

悪夢の神

赤き願いの神

Saria

概要

(研究員:Jによる口述筆記)
白き夢の神より権能を与えられ、神へと引き上げられた少女です。
赤き願いの神は、10歳前後の少女の姿をしています。これは、「彼女の本来の姿」であると彼女自身が語っています。桃色とも橙色ともつかない淡色の髪と、金色の瞳が特徴的です。肌は淡褐色で、淡色の髪と褐色の肌は彼女の出自である民族の特性でもあります。
事象:英雄伝説以前は”魔竜王”として知られていました。

権能

・万能神の補助権能
代理権能を持つ者を助け、自身を次席とする権能。代理権能に準じ、多くのシステムを解放し、利用可能とする。
代理権能を持つものが剥奪、譲渡できる権能であり、代理権能によって上書きされる。

・赤き眠りの紡ぎ手
夢界を自身の領土として扱う権能。出入りや他者を招くことを可能にする。

・願いを導く星
人の願いを汲み、それに相応しい力を授ける権能。白き夢の神の権能に近いが、似て非なる力。この力は祝福ではなく、一時的に力を授けるだけである。

・四ツ葉の揺籃
サリア自身がサリアの望むままに振る舞うための権能。魔竜王の力を封じ、異なる権能へと昇華する。

・魔竜の烙印
強い願いの力を秘めたものに、魔王の力が加わった複合的な権能。魔竜王としての現界を可能にし、人界に絶望をもたらす。また、この権能に関わって絶望を与えられた者を自身の眷属へと変化させ、同様の効果を持つ”魔竜の落胤”の呪いを与える。
“四ツ葉の揺籃”により、”願いを導く星”へと変化している。

補遺

インタビューログ:■■■年 水竜の月18日

(研究員Jによる聴取)

「それでは、お父様のことから伺ってもよろしいでしょうか?」

「(照れ臭そうに)勿論」

「ZeTAがオラクルという名前で雇用していた彼女が、あなたのお父様、なのですよね?」

「ええ、そういうことになるようね」

「申し訳ありません、私たちもあまり詳しい状況を把握できてなくてですね……。オラクルは、悪夢の神がこちらへ遣わした精霊である、ということは認識できているのですが」

「その認識で正しいと思うわ。本来、”オラクル”というのは、悪夢の神の下位ユニット、神使徒に当たる存在で、特定の個人ではないの。悪夢の神は、現実から逃げ出してしまったヒトたちの魂の受け皿として、その容れ物を使うのよ。だから、神霊ではあるけれど、オラクルの中身はいつだってどこかの誰かさんなの。」

「どこかの誰かさん……。」

「私も本来は、そうなるはずだったから。悪夢の神は、現実を諦めた私を一旦は受け入れてくれた。けれど、その後私がオラクルの容れ物を賜ることはなかった。私はあの時既に竜で、魔王だったのよ。だから悪夢の神は、私を眠らせてしまうしかなかったのでしょう。……ごめんなさい、お父さんの話だったわね。」

「ええと、構いません。私たちは、新しい神となったあなたについて知りたいだけですから……。」

「つまりお父さんは、システムに乗っかっただけで、正しく”オラクル”として受肉したわけではないのよ。」