赤き願いの神

Saria

概要

(研究員:Jによる口述筆記)
白き夢の神より権能を与えられ、神へと引き上げられた少女です。
赤き願いの神は、10歳前後の少女の姿をしています。これは、「彼女の本来の姿」であると彼女自身が語っています。桃色とも橙色ともつかない淡色の髪と、金色の瞳が特徴的です。肌は淡褐色で、淡色の髪と褐色の肌は彼女の出自である民族の特性でもあります。
事象:英雄伝説以前は”魔竜王”として知られていました。

権能

・万能神の補助権能
代理権能を持つ者を助け、自身を次席とする権能。代理権能に準じ、多くのシステムを解放し、利用可能とする。
代理権能を持つものが剥奪、譲渡できる権能であり、代理権能によって上書きされる。

・赤き眠りの紡ぎ手
夢界を自身の領土として扱う権能。出入りや他者を招くことを可能にする。

・願いを導く星
人の願いを汲み、それに相応しい力を授ける権能。白き夢の神の権能に近いが、似て非なる力。この力は祝福ではなく、一時的に力を授けるだけである。

・四ツ葉の揺籃
サリア自身がサリアの望むままに振る舞うための権能。魔竜王の力を封じ、異なる権能へと昇華する。

・魔竜の烙印
強い願いの力を秘めたものに、魔王の力が加わった複合的な権能。魔竜王としての現界を可能にし、人界に絶望をもたらす。また、この権能に関わって絶望を与えられた者を自身の眷属へと変化させ、同様の効果を持つ”魔竜の落胤”の呪いを与える。
“四ツ葉の揺籃”により、”願いを導く星”へと変化している。

補遺

インタビューログ:■■■年 水竜の月18日

(研究員Jによる聴取)

「それでは、お父様のことから伺ってもよろしいでしょうか?」

「(照れ臭そうに)勿論」

「ZeTAがオラクルという名前で雇用していた彼女が、あなたのお父様、なのですよね?」

「ええ、そういうことになるようね」

「申し訳ありません、私たちもあまり詳しい状況を把握できてなくてですね……。オラクルは、悪夢の神がこちらへ遣わした精霊である、ということは認識できているのですが」

「その認識で正しいと思うわ。本来、”オラクル”というのは、悪夢の神の下位ユニット、神使徒に当たる存在で、特定の個人ではないの。悪夢の神は、現実から逃げ出してしまったヒトたちの魂の受け皿として、その容れ物を使うのよ。だから、神霊ではあるけれど、オラクルの中身はいつだってどこかの誰かさんなの。」

「どこかの誰かさん……。」

「私も本来は、そうなるはずだったから。悪夢の神は、現実を諦めた私を一旦は受け入れてくれた。けれど、その後私がオラクルの容れ物を賜ることはなかった。私はあの時既に竜で、魔王だったのよ。だから悪夢の神は、私を眠らせてしまうしかなかったのでしょう。……ごめんなさい、お父さんの話だったわね。」

「ええと、構いません。私たちは、新しい神となったあなたについて知りたいだけですから……。」

「つまりお父さんは、システムに乗っかっただけで、正しく”オラクル”として受肉したわけではないのよ。」