Lotus the Managarmr


概要
クローバー貿易商会の執行部長。兼、会計、書記担当、兼、オルティの運転手、兼、お茶汲み、兼、……要するにオルティの右腕的存在。そのオルティとは、義兄弟の契りを結んだ間柄でもある。
プロフィール
血 族:トヲラス系鹿狼族
年 齢:39歳
誕生日:早春
身 長:188cm
体 格:やや肉づきのいい、筋肉質の体型
口 調:目上の人には敬語調。優しげ。
「オルティさん、そろそろコーヒーぐらい自分で淹れられるようになってくださいよ。」
「わかってんですよ! オルティさんはすごいの! そんなの俺がいっっちばんわかってんですよ!」
外見描写
健康的な浅黒い肌。くりくりした丸い目は陽の元で赤く輝く。人懐こく、笑顔が多い。人好きのする、表情豊かな童顔丸顔。
硬い髪質の白髪は、前後ろを短く切り揃え、揉み上げをやや長く伸ばしてある。
うっすらと脂肪の乗った筋肉はしっとりと厚く、本人曰く「気を遣っている」腹周りはベルトがややキツい。骨格からして太い恵体で、特に肩周りはがっしりとしている。オーダーメイドのシャツでなければ袖を通らないほど。
ドレスシャツ、ベスト、スラックスの装いが多いが、きっちりと着ていることは稀。お気に入りのハットはオルティと同じブランドの品。いつも尻ポケットに長財布を差して、ウォレットチェーンを垂らしている。が、これはオルティから下品だと咎められている。
性質
好き嫌いがはっきりしていて、露骨に顔に出る。良く言えば素直な性格。
嘘がつけないタイプだが、それが最善だと信じた時には、心を殺してでも嘘をつき通す芯の強さもある。明るくポジティブで、ヌケている所が目立つため、他人からは能天気な馬鹿だと思われがち。能天気はあながち外してもいない。
一途で一本気な人柄でもあり、一度従うと決めた主人を裏切ることはない。現在、その主人とはオルティであり、他の誰の下につく心算もない。
クローバー貿易商会のメンバーは彼にとっては家族も同然であり、命を賭しても守り抜くと心に決めている。
戦闘
基本的には徒手格闘。ストリート仕込みの喧嘩拳法で、体格を活かすパワータイプ。 かつては『サンドラの白狼』と呼ばれ狂犬として恐れられていたが、オルティの下についてからは牙が抜けたように大人しくなった。その事を揶揄して『眠り狼』と呼ぶ者もある。事実、激昂した時など、今でも白狼の地金を見せる事はある。白狼は死せず、ただ雌伏するのみ。
ストーリー
・オルティの右腕。控えめに花を添える存在。
・オルティが病を理由に隠遁した後、必死になってオルティの行方を捜したが、二度と会うことは出来なかった。
・クローバー貿易商会会長代理となり、死ぬまで頑なに代理と名乗り続けた。
Read More – サンドラの白狼
ロータスはアルスの娼婦街で、とあるトヲラス人娼婦の元に生まれた。
母は商売女ではあったが、息子を溺愛し、愛情と金をかけて育てた。そのため、ロータスは貧民街の出でありながらも、それなりの読み書きや算術を習得している。母とその周りの娼婦たちはロータスを皆で可愛がり、ロータスも彼女たちに懐いた。今でも女性の扱いがそれなりに上手いのは、彼女たちのおかげであろう。たっぷりと愛情をかけてもらったぶん、ロータスは愛情深く、義理に厚い男に成長した。
母が亡くなった後も、ロータスは娼婦街で用心棒の真似事をして暮らしていた。あるとき客から、本当にロータスを用心棒として雇いたいと申し出があった。それをきっかけに、彼は本格的に裏社会の人間として生活し始める。
ロータスは義理堅い男だ。だから、雇い主がロータスをどう扱っても、一度仕えると決めた以上は従った。理不尽だと感じることもあった。嫌な仕事を押し付けられることも。それでも必死に努力した。飼い犬がそうであるように、ロータスは主人に選ばれる側であり、主人を選ぶ側ではなかったから。やがて彼は、主人が拠点としていたサンドラ通りの名を借りて、サンドラの白狼と呼ばれるようになった。かの狂犬が控えていると聞けば、誰もが彼の主人に頭を下げた。彼はいい気にはならなかったが、二つ名を与えられる程度には、一端の仕事ができる男になったのだと感じていた。
だから、その青年が——若かりし、王となる以前のオルティ・クラヴィアドが乗り込んできた時も、馬鹿なのだろうと思った。自分はサンドラの白狼で、主人はそれを従えているのに。彼ら、クローバー貿易商会と主人の間で何の交渉が決裂したのかなど、ロータスは知りはしない。ただ命じられたまま、叩き潰せと言われたまま、犬のように戦った。
オルティは強く、何より諦めが悪かった。その碧い瞳は明確な目的を見据えていて、表情は確信に満ちていた。ロータスは動揺する。なぜ彼がそんな態度でいられるのかわからなかった。自分と対峙し、なぜまだ立っていられるのかわからなかった。血の混じった唾を吐き捨て、ロータスは彼をじっと見据えた。
「あんたの名前を聞きたい」
単なる質問ではない。サンドラの白狼、かの狂犬が、斃すべき相手に興味を抱いたのだ。
それはロータスが単なる犬に徹していられない、ひとりの人間であることを明白にした。人として向き合いたい相手と、遂に出会った瞬間だった。
Read More – ロータスの朝は早い
起きてすぐ、身支度を整える。
彼の主人であるオルティは身なりにうるさい。シャツに皺でもつけていれば、朝から小言を食らう羽目になる。
そのオルティに電話をしたら、彼を迎えに車を出す。無論、このとき車の中にファストフードの食べカスなどは一切残してはならない。一日中文句を言われる。何せこのバカみたいな改造を施されたクラシック・カーの所有者はオルティである。
オルティを事務所まで送り届け、彼のためにコーヒーを淹れる。それを少しもらって、次は朝市へ向かう。市場の見回りは、商会の仕事とロータスの趣味を兼ねている。つまり、やっと朝飯にありつける。
ロータスはこの光景が好きだ。
開いたばかりの市場はまだ静かだ。大きな獣がゆっくりと身を起こしているようで、まだ眠たげな顔もちらほらあって。人の生活、息吹を感じられる。悪ガキに見つかり、追いかけっこの相手をするのも楽しい。食堂で、老婆の話を聞くのも面白い。若い店主が、自慢の逸品を勧めてくれるのも嬉しい。その誰もが、ロータスを「ロータス」と呼んでくれる。
見回りを終えて、事務所へ戻る。その頃には続々と社員が出勤してくる。そのひとりひとりに挨拶をして、それぞれと言葉を交わす。彼らだって、誰もロータスを「サンドラの白狼」だなんて呼ばない。
書類仕事も苦ではないし、雑務だってやりがいがある。放っておくと昼飯を抜くオルティを連れ出して軽食を摂らせ、午後はまた外回りだ。そうしてロータスの一日は眩く過ぎる。
……夜、目をつけていた女性にオルティのことを話す。話しすぎる。「もうそのオルティって人と付き合えば!?」とビンタされ振られる。それも、ロータスの日常。ありふれた、人間の日常だ。