ロータス

Lotus

ロータス(設定絵)

概要

クローバー貿易商会の会計、書記担当、兼、オルティの運転手、兼、お茶汲み、兼、……要するにオルティの右腕的存在である。
仕事では有能な割に日常生活が疎かになりがちなオルティのサポートを行いつつ、収支会計などの雑務を一手に引き受けているので、実は相当デキる部類。なのだが、なまじオルティが良い意味でも悪い意味でも目立つため、どうしても添え物のような扱いを受けてしまう。
ロータス本人も、オルティの事は自慢のボスで義兄弟だと認識している。話題は殆どが『今日のオルティさん』であり、付き合った女性から「もうそのオルティって人と付き合えば!?」とビンタされ振られたことは、一度や二度の事ではない。

性格、気質

好き嫌いがはっきりしていて、露骨に顔に出る。良く言えば素直な性格。嘘がつけないタイプだが、それが最善だと信じた時には、心を殺してでも嘘をつき通す芯の強さもある。明るくポジティブで、ヌケている所が目立つため、他人からは能天気な馬鹿だと思われがち。しかし、能天気はあながち外してもいない。
一途で一本気な忠犬属性の人柄でもあり、一度従うと決めた以上、オルティには絶対に背かない。また、他の誰の下につく気もない。クローバー貿易商会のメンバーは彼にとっては家族も同然であり、命を賭しても守り抜くと心に決めている。

好きなもの、嫌いなもの

食べる事と酒が好きで、明るく賑やかな場が好きなため、落ち着いた雰囲気のバーのような店よりも、居酒屋のような店を好む。軽食やツマミを自作して宅飲みするのも好き。度数の高い酒も飲めるが、ザルではないので適度に酔う。体型を結構気にしているが、食べたり呑んだりは辞められないので、運動でなんとか消費しようと努力している。
オルティと同じく買い物が好きだが、オルティはファッション関係やガジェット関係の買い物を好むのに比べ、ロータスは食べ物関係の買い物が好き。裏市街の朝市は、趣味と仕事を兼ねて見回る。
オルティの事は大好きだが、オルティの添え物扱いを受けるのは非常に不服であり、そういう扱いをされたと感じた時には、ムッとした表情を見せる。オルティさんが凄い事は、誰より自分が良く知っている、という思いも無きにしもあらずの事。

戦闘

基本的には徒手格闘。ストリート仕込みの喧嘩拳法だが、足技を中心にした連撃はそれぞれが重い。
かつては『サンドラの白狼』と呼ばれ狂犬として恐れられていたが、オルティの下についてからは牙が抜けたように大人しくなった。その事を揶揄して『眠り狼』と呼ぶ者もあり、事実、激昂した時など、今でも白狼の地金を見せる事はある。

ロータス(白狼時代)
白狼時代のロータス

価値観、死生観など

生まれも育ちも裏社会のため、この世は弱肉強食であり、生き残るのは強い者だと考えている。そして、その中でいかに強者となって、弱者を守るのかが、ロータスの課題でもある。

生まれ

アルスの娼婦街で、とあるトヲラス人娼婦の元に生まれる。母は商売女ではあったが、ロータスを溺愛し、愛情と金をかけて、教育を受けさせて育てた。そのため、ロータスは貧民街の出でありながらも、それなりの読み書きや算術を習得している。母とその周りの娼婦たちはロータスを可愛がり、ロータスも彼女たちに懐いた。今でも女性の扱いはそれなりに上手い。
たっぷりと愛情をかけてもらったぶん、ロータスは愛情深く、義理に厚い男に成長した。
成人する前に母を喪い、喧嘩と暴力の日々を過ごしたが、その気質は失われなかった。

家族、対人関係

・トラン
本当の父親の顔を知らないロータスは、先代のクローバー貿易商会会長であるトランを父のように慕っていた。トランもロータスを息子同然に可愛がっていた。オルティがトランの仇を討つと言い出した時、二つ返事で了承したのはロータスだけだった。

・オルティ
兄貴分であり、オルティが会長となった現在は仕えるべき主君でもあるが、その出会いは最低だった。喧嘩の強さを買われて用心棒のような事をさせられていたロータスは、当時まだクローバー貿易商会の鉄砲玉で、カチコミに来たオルティと本気の殴り合いになる。死闘の結果、地を舐めたのはロータスで、それ以来、ロータスはオルティを兄貴として慕うようになる。

・アンブロシア、ヴァースラフ
ロータスとほぼ同時期にクローバー貿易商会に参入した、トランに可愛がられた少年たち。二人が死んだ時は深く悲しみ、そして、四ツ葉を枯らす事は出来ないと、強く決意した。

・サダルメリク
オルティが拾ってきた、可愛い弟分のような存在。とはいえ、どうせ変身できるなら、おじさんじゃなくておっぱいのでかい美少女でいて欲しかった。

・メリーラム
だからってそういう路線の人を連れてこいって意味じゃない、と思った。
普段事務所で一緒に仕事になる事が多い。目のやり場に困る。

・アルシァラ
後輩。少し生意気だが仕事はできるので、特に咎めたりはしない。オルティ本人は許すが、オルティに対して態度が悪い時に叱る程度。

・エリー
彼女の兄、アンブロシアを助けられなかった責任は自分にもあると感じている。できる限り幸せに、平穏に暮らさせてあげたい。

・エヴァグリーン
またオルティさんがなんか拾ってきた。使える奴だとは思っているが、事務所のカーペットを血で汚すのはやめてほしいと常々思っている。どうせそれを片付けるのはロータスの仕事だからだ。

プロフィール

血 族:トヲラス系鹿狼族
年 齢:39歳
誕生日:早春
身 長:188cm
体 格:やや肉づきのいい、筋肉質の体型
口 調:目上の人には敬語調。優しげ。

「オルティさん、そろそろコーヒーぐらい自分で淹れられるようになってくださいよ。」
「お前ほんとまともな服着てくれよ頼むから」
「良い子だね、ほら、おいで?」

ストーリー

・オルティの右腕として、要所要所で登場はするものの、目立って活躍はしない。控えめに花を添える存在。

・オルティが病を理由に隠遁した後、必死になってオルティの行方を捜したが、二度と会うことは出来なかった。

・クローバー貿易商会会長代理となり、死ぬまで頑なに代理と名乗り続けた。

・オルティの娘サリアが軍部と組み、竜宮を作り上げて商会を狙ってきた時、ロータスはそれを止める事ができずに、商会は軍部の傀儡となった。

・竜宮とエヴァグリーンは全面戦争になり、ロータスは商会の残党を率いて戦場に立った。軍部に手を貸すつもりは微塵もなく、軍部に顔が立つ程度に働き、商会に残ったメンバーを逃がそうという腹積りで。その後、おそらく事情を理解できるだろうエヴァグリーンの手に掛かることが目的だった。

・しかし、彼を断罪したのはエヴァグリーンではなかった。異国の剣技を用い、その男はロータスの背を斬る。ああ、雨になりそうですよ、気をつけて帰ってくださいね。己を斬った男の膝で、彼の向こうの空へ手を伸ばし、それがロータスの最期の言葉になった。46歳の、雨の日のことだった。