ノエル・ザ・ハイドラ

Noelle the Hydra

ノエルちゃん1
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概要

竜種の殺し屋で構成された組織、”猟竜”のメンバーのひとり。少女とも少年ともつかない可憐で幼気な容姿とは裏腹に、ノエルは組織のエースである。

プロフィール

血 族:竜種
年 齢:13歳
誕生日:12月25日
身 長:150cm前後
体 格:やや小柄で、少女らしい
口 調:無邪気な惨忍さ
「すごい! 初めて見た!! 本当に本物の命乞いだあ!! ねえ! おじさん本当になんでもする? じゃあボクの家畜になる!?」
「へぇ、ボクと戦う気なんだ。いいよ、片手間に相手してあげる。カップラーメン程度は持たせてよね。」

外見描写

誰もが振り返らずにはいられない、美少女然とした姿。
白く透明感のある肌は、頬や指先で柔らかく薄桃色に色づいている。
髪はつややかで瑞々しい、金色がかった若草色。アシンメトリーの前髪は右眼に被さるように長く、後ろ髪は短い。やや癖のある髪質で、ところどころ後毛がはみ出している様子さえ可愛らしい。
くっきりとした睫毛をあしらう、大きな目は目尻の位置がやや高い。瞳は毒のような、とろりとした蜂蜜色。まぎれもなく竜種だと証明をするかのように、その瞳孔は美貌にそぐわないほどの鋭さを湛えている。
小さく、それでいて鮮やかで形の良い唇からも、竜種らしく牙がこぼれて見える。本来は長いはずの耳は、猟犬のように外耳の一部を切り取られてあり、シンプルなピアスで飾られている。
しなやかで幼い肢体は、組織から与えられた硬質繊維の戦闘服に護られている。派手で明るいライムグリーンを好んで着て、足許はいつも高いピンヒールのブーツで包んでいる。

性質

ノエルの振る舞いは、実に年相応の少年少女らしい。
ただ、その全てに竜種の無茶苦茶な倫理観や、馬鹿馬鹿しいほどの身体能力が加味されているにすぎない。無邪気で愛らしく、惨忍で無慈悲で、気分屋で気まぐれ。自分が楽しいと思うことを好むが、何を楽しいと感じるかはその瞬間においてころころと切り替わる。自身の選択の結果がどうなるかを深く考えることはなく、気が向いたので/気が向かなかったので「そうする」。ノエルは130%気まぐれでできている。気まぐれの結果として自分が死ぬことになるとしても、ノエルは何も気に留めることはない。
そして自由気儘なノエルは、誰かに定義され、決めつけられることを嫌う。命令されることや拘束されることも嫌がる。仕事でなければ、上役や客の指示に従うこともないだろう。
それでも日々、指示を聞き任をこなすのは、殺しを好んでいるから、ではない。「プロだから」である。ノエルはノエルなりに、矜持を持って殺し屋を勤めている。生まれつきそうあれかしと定められたノエルにとっては、仕事は呼吸をするのと変わらない。

戦闘

仕事で殺す相手は、仕事なのだから遊ぶことはない。ノエルにとっては人類種の相手など、赤子と戯れるようなものだ。常に手を抜いていると言っても良いほど、ノエルは仕事で”本気を出す”ということがない。
携えた武装はパイルバンカーであり、ノエルの血を固め、杭として撃ち出す砲門となる。破壊力は有り余るほどあるものの、この武装は完全に過剰かつ、本当に余分である。戦闘機に戦車を牽かせるようなものだ。ノエル自身も、ポテトチップス専用トング程度に思っている。本気で戦う時には——そんな機会はまず滅多にないが、真っ先に投げ捨てて体を軽くするだろう。

ストーリー

  • とある仕事の中でナダレと出会う。ちょうどそのつまらない仕事に飽きていたノエルは、ナダレの命乞いをいたく気に入り、彼を「家畜」として飼うことに決めた。
  • 曲がりなりにも誓約を結んだ相手を、竜種が裏切ることはない。ノエルはナダレに一度も嘘をつかなかったし、約束したことは必ず守った。
  • やがて、組織にナダレの存在を気づかれ、ノエルは初めて自身の仕事と、他の何かを天秤にかけなければならなくなった。
  • 反故にしようと思えば、きっといつでもそうできた。それでもノエルがナダレを手放さなかったのは——縛られることを何より嫌うノエルが、誓約に縛られることを是としたのは。それは愛や恋やではなく、ノエルがそうしたいと思ったからだ。
  • その後、ノエルは猟竜の崩壊と共に姿を消す。ノエルは最後に「またね」とナダレに言った。それもきっと、嘘ではなかった。
Read More/ガラスの殻
ノエルは猟竜の長、ロゥベルの血を分けて造られた人工竜種である。
母親はそもそも無く、試験官から研究室へ生まれてきた。ノエルはそれを特別な事とか、不幸な事とか、そうは思っていない。周りにいる竜種はみんなそうだ、卵の殻の代わりに、ガラスに包まれて生まれてきた。それは事実であり、過去であり、今のノエル自身になんの関わりもない事だ。
ロゥベルには目をかけられていたが、だからといって愛情を注がれたわけではない。同類と同じように扱われ、同じように戦闘訓練を施され、研究素材として育ってきた。その事にも不満はない。世界は決まりきっていて、単調で、退屈でつまらないものだと知っていた。
だから、ナダレとの出会いがノエルの何かを変えるなんてことはちっともなかった。何もない出会いだった。何もなかったからこそ、それがノエルには特別だったのだ。
Read More/餞——帰るべき場所
猟竜という歪な、ひとりの男が作り出した幻想が潰えた日。
ノエルは思いの外、自身が動揺していることに気がついた。たかが帰る場所を無くしただけのことが、ひどく重い意味を持っているような気がした。
あの時、「そう」すれば良かったのかもしれない。
ナダレを頼り、側で暮らせば良かったのかもしれない。何もなかったかのように、ナダレとの日々を続けて。きっと、大切にしてくれたに違いない。文句を言いながらノエルの我儘を聞いて、時々ドラッグに手を出してはノエルに締められる。ナダレと、そんな暮らしができただろう。けれど、そうしなかった。ただ、ナダレの前から姿を消した。
……猟竜を取り戻すのだと彼らは言った。そのためには、ロゥベルの血を分けた竜が必要だと。捕えられたノエルは、「素材」として運用された。心核による再生が追いつかないように、定期的に身体の一部を切り刻まれる。それさえも感じなくなるほどに味気なく、くだらなくて、つまらなかった。囚われの身のノエルが、それでも生きることを諦めなかったのは——死ぬ事を承知でやれば一応は逃げ出せたろうに、そうしなかったのは。
ナダレと約束したからだ。またね、と。
ああ、だからどんなに嬉しかったことか。無惨にも銃弾の雨を浴びせられながら、明らかに致命傷を受けていながら、ナダレが自分の名前を叫んでくれたことが。自分に会うために、救い出すためにここまで来てくれたことが、本当に、本当に嬉しかった。ノエルがその生命の全てを賭けて戦った理由は、たったそれだけだった。
崩れゆく研究所の、冷たい床の上に座り込んで、膝に乗せた彼の茶髪を撫でる。それはとうに事切れた死体だけれど、ノエルには何よりも大切な贈り物だった。そして、何よりの餞別だった。